昨年はメイショウサムソンが春秋の天皇賞を制し「特別賞」に輝いた。そのメイショウサムソンにもアドマイヤムーンにも、休んでいるあいだにGI実績で大きく水を開けられてしまったが、骨折休養から立ち直った5歳ドリームパスポートは、これから本格化し充実の時を迎えて不思議ない。
3歳春まではメイショウサムソンと大体互角の星だったが、3歳の秋以降、つまり成長力と底力が問われるようになってからは、対戦成績は(5勝1敗)。骨折で8か月の休み明けだった昨秋のジャパンC以外、春秋の天皇賞を制したメイショウサムソンに遅れをとったことはないのである。
ちょっと地味。ビッグレースは勝っていないから、それはランクが下になるのは仕方がないが、こういう関係も珍しい。ちょっと不運な馬、勝ち切れない馬なのだろう。
母グレースランドの半兄になるステイゴールドの途中までと、ちょっと似ている。そのステイゴールド(6歳時に本格化し、7歳になってドバイで国際競争を勝ち、香港ヴァーズでとうとうG1ホースとなった)につづきたい。ここまでの実績は、むしろステイゴールドを大きく上回っている。
美浦の稲葉厩舎に転厩してきた。大きな転機にしたい。仕上げの難しい馬ではなく、またこれまでは再三再四ジョッキーが替わっていたが、これからはほぼ松岡騎手が主戦でめったに乗り替わることもないだろう。
同じように立ち直ってきたアドマイヤメイン(菊花賞大レコードの立て役者)は怖いが、2200mはドリームパスポートの距離。今年の再飛躍に向け、勝って弾みをつけたい。
トウカイトリックの前走の上がり34.0秒も強烈。距離不足にはちがいないが、こなせない距離ではない。人気のないところでは、連闘で出走してきたメテオバーストを連穴に押さえたい。