それなりの重いハンデを課せられたのは、アドマイヤモナークの57.5kgだけ。あとはみんな55kg以下の軽量だから、天皇賞・春に続く路線とすると、レベルは高くない。
当然、力量上位のアドマイヤモナークには敬意を払うが、伏兵から入りたくなるメンバーであることは間違いなく、秘めるスタミナ能力を探したい。
デキの良さが光るのは、文句なしにコンラッド(父ダンスインザダーク)。菊花賞は3分07秒3で、ディープインパクトの2.7秒差7着。もっとも上がり目がありそうなのは、4歳エーシンダードマン(同じく長距離向き産駒が多いダンスインザダークが父)。こちらは菊花賞を3分05秒5で、アサクサキングスの0.4秒差4着。
狙いたいミストラルクルーズは菊花賞を3分04秒0で同じエルコンドルパサー産駒ソングオブウインドの1.3秒差11着。時計が速いのはレース全体の流れが速かったためで、とくに意味は乏しいが、成長の途上でまだ2勝馬だったこと。レベルの低いセントライト記念がステップで、とても勝負にならないだろうと思われたが、メイショウサムソン級とそう差がなかったところに可能性を見せた。
父エルコンドルパサーは、もう知られるようにヴァーミリアン、アロンダイト、トウカイトリック、そしてソングオブウインドなど。スタミナにあふれる成長株を残した世代の中からおくった。ミストラルクルーズの場合、母方は長距離もこなせる一族で、ヴァーミリアン、ソングオブウインドと同様、エルコンドル=サンデーの組み合わせ。菊花賞善戦の内容なら、もう脚部難を解消したこと、体つきがパンとしてビシビシ追えるようになったことから、長距離戦で大きく飛躍できる可能性に賭けたい。もちろん横山典騎手も魅力。予想される超スローなら、53kgを生かすべく早めのスパートも考えられる。