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フェブラリーS

  • 2008年02月23日(土) 00時50分
 大きなカギは、まず第1にすでにGI格のレースを4勝もしているチャンピオン・ヴァーミリアンは1月の川崎記念を取り消し後。体調は大丈夫か? だろう。症状は軽く、すぐ乗り出している。ここ2週、攻め馬駆けしない同馬とすれば上々の坂路52秒台で力強く動いている。JBCクラシックを9か月ぶりで圧勝したようにポン駆けはOK。不安は少ない。大目標はドバイワールドCだが、昨年は4着とはいえ2.4秒差の大敗。ここでスピード能力を示さないと、2度目のドバイ遠征は意味がなく、決してステップのレースではない。

 1600mの距離は1度だけ。一昨年のこのレースを1分35秒8で5着だった。そのため距離は大丈夫か? が第2のポイント。しかし、初のダート1600mをこの馬自身、前半1000m通過59.0秒で好位追走の形をとっている。スタートがやや鈍いこと、また出走しているレースが一昨年のフェブラリーS以外はすべて1800m以上であることから距離不安をささやかれるのだが、この馬、胴長の体型ではあっても肩の角度など、決して長距離型のそれではない。芝2戦目の2歳時に1800mを1分48秒7がある。スピード能力は十分備えている。

 また、知られるようにダイワメジャー、ダイワスカーレットなどとごく近いスカーレットインク一族。この牝系、もともとがスピード色のきわめて濃いファミリーでもある。

 ヴァーミリアンのテーマはハッキリしている。幸い外枠を引いた。相手に合わせるのではなく、よほどハイペースにでもならない限り、自分から早め早めに動いて出たい。それで押し切るぐらいでなければ、高速のドバイコースに対処できないからからだ。切れ味に乏しい死角もあるだけに、なおさら早くスパートして、総合スピードでこの距離を乗り切ると考えたい。

 相手は追って味のあるフィールドルージュ、ワイルドワンダー以下、差す脚のある馬。メイショウトウコン、ビッググラスの2頭は是非相手に加えておきたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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