一連のステップレースの中で、2歳11月の東京スポーツ杯2歳S組が好走を続けている。朝日杯FSのゴスホークケン、スズジュピター。ベンチャーナイン、タケミカヅチがポイントになる重賞を2着し、シングンリターンズも善戦、スマイルジャックも巻き返している。
その東スポ杯を2戦目に1分47秒4(レース史上2位)の好時計で勝っているフサイチアソートが、充電を終えてきた。故障ではなく、朝日杯など出走することもできたが、あえてパスしてこの春に備えてきた。とくに目立つ派手な馬体を持っているわけではなく、また大きく成長した雰囲気でもないが、入念な乗り込みで休み明けとは思えないほど仕上がっている。東スポ杯で下した組がそのあとの一連の重賞で好走しているからといって、一転二転の続く今年、フサイチアソートが勢力図のトップに立っているわけではないが、ここで勝ち負けに持ち込むと、マイネルチャールズあたりと同様、能力の基準になるだろう。
そのフサイチアソート。トワイニングの産駒というところがちょっとひっかかるが、同じフォーティナイナー産駒のエンドスウィープ(アドマイヤムーン、スイープトウショウなどの父)と同じ年産まれで、同じようなタイプとして最初は出発した。異端の種牡馬として大成功したエンドスウィープとは逆に、こちらはあまり成功せず、再輸入となったが、幅を広げるフォーティナイナー系らしくイメージ通りのトワイニングではなく、エンドスウィープと同じような産駒を送っても不思議ではない。トワイニングの牝系は、ノーリーズン、ヤマニンパラダイスなど、米国血筋でも芝向きの一族として広がりつつある。
フサイチアソート中心に、渋いマイネルチャールズが相手本線。今回は抜群の良績を残す弥生賞とあって武豊騎手が先行させる可能性もあるブラックシェルが3番手。その他の伏兵にも少し手広く流したい。