休み明けの若竹賞1800mでは、半姉ショウナンタレントと同じように前半からハナを切って今回も対戦するアサクサダンディ、スマイルジャック以下をギリギリ振り切ったショウナンアルバ。
そうは味のない軽いスピード系に見えたが共同通信杯のレース運び、内容は光る。行きたがる前半は強引に好位に控えさせ、頭を上げるシーンもあったから相当のロスもあったはずなのに、抜け出してから1分47秒6の完勝。
あの形で二の脚を使って後続を封じたのだから勝ち時計以上に中身は濃い。上がり35.4秒でまとめての1分47秒6は、レースレコードと0.2秒差だった。なだめて好位追走の形を学習したのは大きい。
今回はとくに逃げ馬もなく、押し出されるように自分で行かなければならない展開も考えられるが、若竹賞当時とは違ってリズム良くマイペースに持ち込める公算大。2戦目に勝ったときがスローで折り合って上がり34.0秒。もともと単調な逃げ馬でもないが、なだめて進み、追って伸びた自信は大きい。前走の2着馬がタケミカヅチ。タケミカヅチは弥生賞をマイネルチャールズ(4勝)の小差3着馬だから、共同通信杯はただ時計が速かっただけでなく、レースレベルの裏付けもある。
ショウナンアルバには、日本にはその血があまり入っていないブリガディアジェラード(18戦17勝。ミルリーフと同期)の血が、たまたまだが父母両系に入ってクロスしている。軽いスピード系のようにみせて、ウォーエンブレム産駒の中では底力のあるタイプとして育つ公算大。1800mならまずバテない。
相手はとても絞れる組み合わせではなく、人気割れだから手を広げたいが、大きく変わる可能性があるのは(おそらく後方一気に作戦変更するつもりの)フローテーション。行くとジリ脚になりがちの牝系だが、思い切ってタメる形が正解と出る気がする。アサクサダンディはこういうGIIこそベスト。