昨年は3分14秒1の決着。芝状態が以前より格段に良くなったことが関係し、06年ディープインパクトの3分13秒4は別格としても、3分14〜15秒台の決着は珍しくなくなるのかもしれない。マヤノトップガンのレコードなど、しばらく不滅と思えた時期もあったのだが…。
4歳馬有利がいわれる。たしかにスピード化が進む最近ほどそうなのだが(最近10年で4歳馬が8勝)、実は史上初めて、今年は4歳馬がたった2頭しか出走してこなかった。傾向通りなら、いつもの年以上にマトが絞れることになるが、逆に、史上初めて春の天皇賞で7歳以上馬が勝ったり、また、これまでは出現しなかった「6歳以上馬同士の1〜2着」があったりする可能性も生まれた。
タフなベテラン・トウカイトリック(父エルコンドルパサー)に期待したい。昨年は3分14秒1で勝ったメイショウサムソンから、ハナ・クビ差の同タイム3着。巧みにインを突っ込んだが、馬体を併せる形ならひょっとして…と思わせる好内容だった。
あと一歩の詰めが甘く、3000m以上の長丁場でも[2-3-3-3]。惜しい内容が多いが、6歳の今春、58kgを背負って万葉S・3000mを上がり34.0秒で快勝。上がり34.0秒は自己最高タイだから、少しも衰えてはない。この天皇賞でも昨年と同じような内容を再現して不思議ない。今回はビシッと追って坂路で自己最高タイムをマークしている。5歳以上馬の中では、いささかも能力の変動なし。ホクトスルタン(横山典騎手)の作る、おそらくスローではない流れも大歓迎だろう。スタミナが生きる。
鉄則どおりの4歳馬2頭が強敵だが、あとのない仕上げをしてきた8歳アイポッパー、注文がはまりそうな7歳アドマイヤモナーク、ベテラン勢の中ではこの2頭を差のない候補としたい。ホクトスルタンをマークしていけばいい同じ4歳アサクサキングスに絶対の展開なのだが、今年はベテランの逆襲が起こりそうな気がする。