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天皇賞・春

  • 2008年05月03日(土) 23時59分
 昨年は3分14秒1の決着。芝状態が以前より格段に良くなったことが関係し、06年ディープインパクトの3分13秒4は別格としても、3分14〜15秒台の決着は珍しくなくなるのかもしれない。マヤノトップガンのレコードなど、しばらく不滅と思えた時期もあったのだが…。

 4歳馬有利がいわれる。たしかにスピード化が進む最近ほどそうなのだが(最近10年で4歳馬が8勝)、実は史上初めて、今年は4歳馬がたった2頭しか出走してこなかった。傾向通りなら、いつもの年以上にマトが絞れることになるが、逆に、史上初めて春の天皇賞で7歳以上馬が勝ったり、また、これまでは出現しなかった「6歳以上馬同士の1〜2着」があったりする可能性も生まれた。

 タフなベテラン・トウカイトリック(父エルコンドルパサー)に期待したい。昨年は3分14秒1で勝ったメイショウサムソンから、ハナ・クビ差の同タイム3着。巧みにインを突っ込んだが、馬体を併せる形ならひょっとして…と思わせる好内容だった。

 あと一歩の詰めが甘く、3000m以上の長丁場でも[2-3-3-3]。惜しい内容が多いが、6歳の今春、58kgを背負って万葉S・3000mを上がり34.0秒で快勝。上がり34.0秒は自己最高タイだから、少しも衰えてはない。この天皇賞でも昨年と同じような内容を再現して不思議ない。今回はビシッと追って坂路で自己最高タイムをマークしている。5歳以上馬の中では、いささかも能力の変動なし。ホクトスルタン(横山典騎手)の作る、おそらくスローではない流れも大歓迎だろう。スタミナが生きる。

 鉄則どおりの4歳馬2頭が強敵だが、あとのない仕上げをしてきた8歳アイポッパー、注文がはまりそうな7歳アドマイヤモナーク、ベテラン勢の中ではこの2頭を差のない候補としたい。ホクトスルタンをマークしていけばいい同じ4歳アサクサキングスに絶対の展開なのだが、今年はベテランの逆襲が起こりそうな気がする。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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