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フリオーソ産駒のフリビオン、8連勝で西日本ダービーへ

  • 2017年10月17日(火) 18時00分
中西達也調教師

フリビオンを管理する中西達也調教師にインタビュー!




中西達也調教師
「いい馬たちを引き継がせていただいて、責任重大です」


赤見:調教師としての初出走初勝利おめでとうございます。しかもそれが重賞(9/18珊瑚冠賞/フリビオン)とは!なかなかできることではないですね。

中西:ありがとうございます。狙っていたわけではないんですけど、たまたま初出走が重賞になりまして、そこで勝つことができました。本当は研修とかも行きたかったんですけど、炭田厩舎から引き継ぐ馬も決まっていましたし、自分が管理する馬ですから毎日の調教などで手が離せなくて。バタバタでしたが、最高のスタートを切ることができて嬉しいです。

赤見:2500勝ジョッキーから調教師へ転身したわけですが、大変なことも多いのでは?

中西:そうですね。引退する2か月前くらいから、自分自身で馬を担当させてもらって、炭田先生にいろいろ教わりながら勉強させてもらっていました。今までジョッキーとしては馬に乗るばっかりで、馬から下りた仕事をまったくしていないので、世話、カイバ、ケアの仕方もよくわかっていなかったです。まだまだ勉強中ですけど。

赤見:炭田厩舎から引き継いだメンバーがすごいですね。フリビオン(高知優駿など重賞5勝)、マウンテンダイヤ(二十四万国賞など重賞4勝)、ブラックビューティ(黒潮皐月賞など重賞2勝)、パッパカ(土佐春花賞)と重賞馬がズラリ。しかもほとんどがご自身で手綱を取って来た馬たちですもんね。

中西:本当にいい馬たちを引き継がせていただきました。騎手時代に重賞を勝たせてもらった思い入れのある馬も何頭もいて。オーナーにも、炭田先生にも感謝しています。これだけのメンバーですから責任重大です。

赤見:初出走だった珊瑚冠賞を振り返っていただきたいのですが、フリビオンは重賞を含めて7連勝中でした。初めての古馬相手でしたがレース前はどんなお気持ちでしたか?

中西:もともと珊瑚冠賞は使うつもりはなくて、西日本ダービーに直行しようと考えていたんですけど、レース後のダメージもないし、状態もいいし、これは行きましょうと。まだ3歳ですけど、能力的には古馬のオープンに入っても面白いんじゃないかとは思ってました。けど、まさかいきなり勝ってくれるとは…。この先の西日本ダービーに向けて物差しにしたかったというか、どのくらい戦えるかっていう期待を込めながら出走させたんです。見事なレースをしてくれて、思わずウルッとしてしまいました。

フリビオン

珊瑚冠賞を制したフリビオン(写真は2017年6月18日・高知優駿優勝時)


赤見:8連勝とは本当にすごいです。この馬の武器というのは?

中西:結局最後に苦しい局面でも抜け出してくれる勝負根性があるんです。それに、道中はけっこう促してあげないと進まないというか、掛かることがないんですよ。それが最後の爆発力に繋がっているのかもしれません。最近ゴールがわかっているんじゃないかと思うんですよね。僕より頭いいんじゃないかと思ってます(笑)。

赤見:西日本ダービーは初の遠征、輸送があります。

中西:そこが一番の心配点です。わたしも初めてですし、馬も初めてなので。もう少し日にちがあるので、今はすごくいい状態なのでこの状態をキープして当日を迎えたいですね。普段は可愛い馬なんですけど、調教はけっこう掛かるというか、ガンとハミに乗って来ます。

 線の細い馬でデリケートなところがあって、カイ食いが細くなったり、体が減ったりするので、とにかくオーバーワークにならないように気を付けています。

赤見:調教師になっていきなりビッグレースに挑戦するのもすごいですけど、ジョッキーとして高知優駿を勝った馬で、西日本ダービーに挑むというのもなかなかないことですよね。

中西:夢は広がりますよね。調教師として勝った時、騎手の時の感覚と違ったんですよ。とてつもなく痺れましたね。頭が真っ白になって、その日の夜寝られなかったんです。もちろん騎手の時も勝ったら嬉しいですけど、舞い上がって寝られなかったという経験はなかったですね。騎手の頃はある程度年齢を重ねてくると、「責任を果たせてよかった、人気に応えられてよかった」という気持ちの方が大きかったです。

赤見:2500回以上勝っているわけですからね。しかも引退前のラスト重賞も勝って。何か神懸った騎乗に見えました。

中西:騎手として最高の締め括りをしたかったので、すごく気を張って乗ってました。落ちぶれて辞めるのは嫌だったので、「まだ乗っていて欲しい」と思われるような形で引退したかったんです。重賞3連勝させていただいたり、最後の重賞も勝って。いい形で引退できて、調教師としても最高のスタートを切ることができて有り難いです。

ヒロノカイザー

騎手時代に最後の重賞騎乗で制した中西調教師


赤見:いや本当ですよ。去年お話しを伺った時、「まだまだ騎手としてがんばります」って仰ってたじゃないですか!

中西:そうだっけ?(笑)。まぁ乗っていたい気持ちもあったけど、怪我もあったし、最近腰が悪かったり、体がいい状態でレースに挑める日が少なかったんです。自分の中でベストではないことが多くて。勢いがあるうちに調教師になりたかったので、今なら全然調教も乗れるし、一番いいタイミングだと思って決断しました。

赤見:調教師になってみていかがですか?

中西:忙しいですね。やることがいっぱいあるんですよ。今日も電話工事したり、厩舎の環境を整えることでいろいろ動いてます。自分はまだ馬作りに対してそんなにノウハウはないけれど、まずは働く人にも馬にもいい環境を作りたいので。キレイな厩舎を作りたいので、ペンキ塗りとか、馬房を一つ一つキレイに直したり、花壇を作ったり。勝ち鞍はすごい先輩方がいっぱいいらっしゃるので、高知で一番キレイな厩舎にしたいと思っています。

赤見:では、西日本ダービーに向けて意気込みをお願いします。

中西:自分の仕事は馬をいい状態に仕上げてレースに向かうことです。今すごく状態もよく順調に来ているので、このまま挑めるよう全力を尽くします。初遠征でメンバーも揃っていますし、甘くはないと思っていますけど、注目されるのは間違いないですし、期待に応えられるようがんばります。

赤見:調教師になったということはスーツ姿ですよね?ということは、騎手時代よりもっと(黒田)アーサー似ってことですよね?

中西:(笑)。それはどうですかね。これからフリビオンと共にいろいろな競馬場に行ってみたいと思っています。全国の競馬ファンの皆さん、応援よろしくお願い致します。

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常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

赤見千尋
1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミックシリーズ」の「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍中。

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