生産地だより/田中哲実

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2017サマーセール近づく

2017年08月16日(水)18時00分

注目数:11人
昨年のサマーセール会場風景

昨年のサマーセール会場風景



今年のサマーセールに期待する声はひじょうに大きい


 かつてサマーセールは、8月定期市場という名称で8月初旬あたりに開催されていた。

 しかし、近年は日程が8月下旬のお盆の後に移動したため、生産者や馬を預かるコンサイナーなどにとっては今やお盆休みなどゆっくり取れない状況になってきている。

 とはいえ、このところセリの成績がいずれも前年の実績を上回るどころか、史上最高の数字を叩き出すほど好調に推移していることから、今年のサマーセールに期待する声はひじょうに大きい。

 そのサマーセールは、来週8月21日(月)より、25日(金)までの5日間の日程で新ひだか町静内の北海道市場にて開催される。いずれの日も午前8時より展示開始、セリは午前11時半より行なわれる予定だ。

 5日間に上場される予定の1歳馬は、新規の申し込みが1281頭(牡690頭、牝591頭)、さらに八戸、セレクト、セレクションの各市場からの追加組26頭(牡15頭、牝11頭)が加わり、名簿上では1307頭(牡705頭、牝602頭)という多頭数である。

 当初はそれほど多くの上場馬にならないのではないかという観測もあったが、蓋を開けてみれば、1歳馬の活発な需要を背景に、過去2年間と同じく、1300頭を超える頭数がエントリーしてきた。

 127頭の種牡馬別では、本年初産駒が1歳となるベルシャザールの40頭(牡21頭、牝19頭)を筆頭に、サウスヴィグラス36頭(牡18頭、牝18頭)、キンシャサノキセキ32頭(牡12頭、牝20頭)、タイキシャトルとメイショウボーラーが29頭で並び、エイシンフラッシュの28頭がこれに続く。

 これ以外の、上場頭数の多い種牡馬を拾って行くと、アドマイヤムーン20頭(10頭、10頭)、カネヒキリ23頭(11頭、12頭)、グランプリボス25頭(12頭、13頭)、ケープブランコ20頭(14頭、6頭)、ダンカーク23頭(11頭、12頭)、トゥザグローリー27頭(14頭、13頭)、トーセンジョーダン22頭(11頭、11頭)、トーセンホマレボシ22頭(14頭、8頭)、ナカヤマフェスタ21頭(11頭、10頭)、パイロ25頭(14頭、11頭)、ブラックタイド23頭(10頭、13頭)、プリサイスエンド22頭(13頭、9頭)、ヘニーヒューズ22頭(7頭、15頭)[*カッコ内の数字は牡馬、牝馬の順]といったところが20頭以上の種牡馬となる。

 これらの種牡馬のうち、ベルシャザールの他、グランプリボス、ケープブランコ、ダンカーク、トーセンジョーダン、トゥザグローリーも、本邦初産駒が1歳世代となり、サマーセールにおいてこれらの産駒がどのような評価になるのかも注目される。

 とにかく、サマーセールは、昨年までの過去5年間、売り上げ総額、平均価格、売却率のいずれも年々数字を伸ばしてきた。2012年に1190頭中566頭が落札されて総額が24億2835万円、売却率47.56%、1頭平均は429万円だったのが、昨年の2016年には、1267頭中805頭が落札、売り上げは40億1436万円、売却率は63.54%、平均価格も498万6783円と、大幅な伸びとなった。2012年と2016年とを比較すると、上場頭数は+77頭にすぎないが、売却頭数は239頭も増え、その結果、売却率は16%近い上昇を記録し、売り上げ総額もまた65%もの増加となっている。

 この水準を維持できるかどうかもまた、関係者にとっては大きな関心事である。何となく「東京オリンピックあたりまではこの好景気が続くのではないか」といったある種の楽観ムードも生産者の間には漂っているが、果たしてその通りに市況が推移するかどうか。

 ただ、明らかに、以前のような庭先取引が主流でセリは売れ残りが出てくるもの、というような考え方が覆され、今は、良い馬ほど多くの人々の目に触れるセリに出して評価をもらうのがベストだという方向に変化を遂げてきているのは確かだ。そして、購買する側も、セリで馬を買い求めるのが普通の形になりつつあり、取引形態としてはひじょうに健全な方向に向かって来ているとは言える。どんな5日間になるか、期待が膨らむ。
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コラムニストプロフィール

田中哲実
田中哲実
岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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