生産地だより/田中哲実

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平取町1歳馬品評会

2017年06月21日(水)18時00分

注目数:19人
右からオークツリーファーム、船越伸也牧場、北嶋会長、川向高橋育成牧場、赤石牧場

右からオークツリーファーム、船越伸也牧場、北嶋会長、川向高橋育成牧場、赤石牧場



市場でどんな評価が下されるかにも注目したい


 去る6月19日、平取町軽種馬生産振興会主催による「1歳馬品評会」が開催された。今年で数えて48回目となる伝統行事で、現在、日高では三石(新ひだか町)軽種馬生産振興会とここ平取だけが実施している。

 今年は幸い好天に恵まれ、午後3時15分に、びらとり温泉「ゆから」を出発し、二風谷軽種馬共同育成センターから巡回による品評会がスタートした。今年の出陳馬は、11牧場で16頭。牡12頭、牝4頭という内訳である。

 カラーの立ち写真が収録された名簿を片手に、50人ほどの関係者や見学者が車列を連ねて移動しながら、名簿順に馬を見て歩く。品評会なので、性別や血統もさることながら、管理技術、引き方、立たせ方、さらには馬を見せるための環境にまで視線が注がれる。

 審査員はJRA日高育成牧場の平賀敦場長を委員長に、JBBA日本軽種馬協会静内種馬場場長・中西信吾氏、神奈川県調教師会会長・岩本洋氏、北海道競馬調教師会会長・米川昇氏の4氏が務める。

 普段、特別な用件でもなければ、個別に牧場を訪れる機会はないので、こういう巡回方式による品評会は、よその牧場を見学するまたとないチャンスである。規模の大小、生産方針もまたそれぞれ違いが見られて、ひじょうに勉強になる。品評会に1歳馬を出陳する牧場側もまた、これを機にできる限りの環境整備にも力を入れる。馬のみならず、牧場そのものを他の人々に見てもらうことになるので、できるだけ整然とした場所で1歳馬を披露しようと心がけるのである。

 約2時間半をかけて11牧場を巡回し、午後6時近くに16頭の見学を終えた。

品評会巡回、二風谷軽種馬共同育成センター

品評会巡回、二風谷軽種馬共同育成センター

オークツリーファームにてカシマフラワーの2016

オークツリーファームにてカシマフラワーの2016

 その後、再び、びらとり温泉「ゆから」に集まり、表彰式と懇親会が行なわれた。

 ところで、今年、平取軽種馬生産振興会は、前もって町内の小学生を対象にした「びらとり馬の絵コンテスト」を実施しており、入賞作品が会場内に展示されていたのと同時に、優秀作品に選ばれた4人の小学生に対する表彰式が、まず行なわれた。平取軽種馬生産振興会長賞は川端いずみさん、平取町長賞・川上莉子さん、平取町教育長賞・川端すみれさん、JAびらとり賞・山口陽菜乃さんが壇上に並び、それぞれ自作を抱えて集まった人々に披露し、表彰を受けた。

会場内に展示された馬の絵

会場内に展示された馬の絵

表彰を受ける小学生たち。右から川端いずみさん、川上莉子さん、川端すみれさん、山口陽菜乃さん

表彰を受ける小学生たち。右から川端いずみさん、川上莉子さん、川端すみれさん、山口陽菜乃さん

 平取町軽種馬生産振興会会長の北嶋佳和氏によれば「将来を担う子供たちに馬への関心を高めてもらい、将来的に競馬ファンになって頂いたり、馬業界へ就労して頂くことに結びつけられたら良いと考えて、馬の絵コンテストを始めました」とのこと。これは他の町でもすぐに実施できそうな試みで、ひじょうに良い企画である。

 続いて平賀敦審査委員長から1歳馬品評会を総括した講評が披露され、続いて審査結果の発表となった。

 最初に特別表彰として4頭が選出された。品評会に先立ち、前もって公共施設などに貼り出された立ち写真を見て一般町民が投票し最多票数を獲得した馬に贈られる「平取町賞」には、14番「サムリ」(父スマートファルコン、母ビヨンドマイリーチ、牡、船越伸也牧場)が選ばれた。続いて「ティーマ賞」には6番「マヤノプリヤの2016」(父オルフェーヴル、牝、北島牧場)が、「レッドミルズ賞」には3番「トウカイウェーブの28」(父ベーカバド、牡、びらとり牧場)が、「JRA牝馬特別賞」には11番「アズサユミの2016」(父サンカルロ、スガタ牧場)がそれぞれ選出され、それぞれ記念品を授与された。

 最後に、平賀敦委員長より、銅賞、銀賞、金賞、最優秀賞の4部門の発表が行われ、以下の通り、今年の平取町軽種馬生産振興会1歳馬品評会の各賞が決まった。

 最優秀賞 5番「カシマフラワーの2016」(父キンシャサノキセキ、牡、北島牧場)
 金賞 16番「リュカ」(父クロフネ、母シャインプレジャー、牡、船越伸也牧場生産、飼養管理者オークツリーファーム)
 銀賞 12番「ブライティアピア2016」(父キンシャサノキセキ、牡、川向高橋育成牧場)
 銅賞 15番「ワイルドフェイスの28」(父サウスヴィグラス、牝、赤石牧場)

カシマフラワーの2016

カシマフラワーの2016

リュカ

リュカ

ブライティアピア2016

ブライティアピア2016

ワイルドフェイスの28

ワイルドフェイスの28

 平取町はサラブレッドの生産牧場が20軒前後、生産頭数は2015年の全国馬名簿によれば約130頭と日高管内の中では規模の小さな町だが、この1歳馬品評会は、協賛企業も多く、驚くほど盛大に開催されている。それだけ熱心に生産に取り組む牧場が多いことの表れなのかも知れない。これらの入賞馬たちの多くは、来月以降、日高で開催される各セールに上場される予定だ。市場でどんな評価が下されるのかにも注目してみたいと思う。
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コラムニストプロフィール

田中哲実
田中哲実
岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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