「もう少しうまくなってから練習したほうが…」
かつてスキー場で、のび太くんが言ったんだ。
「練習する」という段階にたどり着くまでに、七転八倒のもがきがあり、自分との戦いがある。そこに到達するまでの果てしない孤独な旅路。制限時間があるこの世界で。焦らずにいられるか?
世の人は「練習方法」を熱心に、愛を込めて教えてくれる。でもできなくて、頑張って、できなくて、落ちこぼれる。自分には無理だ不可能だ、社会不適合者だ落伍者だと、自棄になって人間関係を、人生を断ってしまう。理由は色々だ。持って生まれたもの、後天的な災難、環境、そして…お金。みんな幻だ。でも実際、激甚な労苦をされている方々がいる(もちろん自分も)。それを一旦認めないわけにはいかない。
それでいて、一番尊敬されるのは、「練習しないでも初めからできる人(俗に言う「才能のある人」)」であったりする。皮肉だ。
「人から笑われてもいい、そのままの自分で頑張れ」風の、分かったような言葉が、ひたむきな人間を腑抜けの文無しに追いやる。それが、それが実生活でどれだけ惨めで辛く死にたくなるようなことなのか分かって発言しているのか!?それで生きていけなくとも、人のせいにはできないのだから。自分の人生は自分のものだ。
「練習」できるようになるまで時間のかかる人間もいる。
金のないことは恥ではない。しかし、金のないことを恥じないのは愚かだ。
地を這うな。あなたというさなぎは、あなたが光を見失わない限り、必ずや軽やかに天を舞う黄金の蝶となる。東京駅から新幹線で大阪行きに乗れば、大阪に着く!ただそれだけだ。
輝け!!天性の素質馬のあなたよ!
舞え!自由に。天真爛漫に。
金杯、小銭を握り締めてウインズへと原付のエンジンをかけた。
バッテリーが寿命だった。
楽しくなってきたじゃないか。
俺はやってやる。いや、もう俺は輝いている!
中央競馬幕開けのこの良き日に、あなたへ、胸いっぱいの想いを。
伝われ!
2012年1月から競馬を始めました。小学24年生です。チャールズ・ブコウスキーや阿佐田哲也、寺山修司、伊集院静などが好きで昔から読んでいるうちに(すべての作家に競馬への言及が濃くあ...
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