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秋競馬がスタート

  • 2010年09月04日(土) 00時00分
 前代未聞の記録的猛暑が続いていますが、競馬のカレンダーは夏から秋へ。新潟と小倉の開催は5日で幕を閉じ、11日からは秋競馬がスタートします。

 日本で長く暮らしている人たちでさえ参ってしまうほどの暑さなので、馬に影響がないはずはないと思います。中央・地方を問わず、暑さの盛りに頑張ってきた馬の、その後の調子をどう見極めるか。これが、この秋最大のテーマになるでしょう。中央でいえば、新潟や小倉で激走した馬は特に要注意。また、札幌記念の日がそうだったのですが、北海道でも本州並みに蒸し暑い時がありました。そういう時に走った馬はもちろん、北海道で“夏休み”を取っていた馬にも、どこかで暑さにやられた(やられそうになった)時期があったかもしれません。秋競馬の馬体重、パドックの様子は、いつも以上に注意深く見ておく必要がありそうです。

 私があらためて言うまでもないとは思いますが、この秋は、日本馬の海外遠征に注目です。まずはヴィクトワールピサ、ナカヤマフェスタが挑戦する10月3日の凱旋門賞。すでに両馬はフランスに渡り、ヴィクトワールピサはニエル賞、ナカヤマフェスタはフォワ賞(ともに9月12日、ロンシャン競馬場)を走るために調整されています。現地は日本のような猛暑には見舞われておらず、むしろ朝晩は夏とは思えないくらい、肌寒いそうです。早めに向こうに渡ったのは正解だったでしょう。

 その後は、トウカイトリックが11月2日のメルボルンCに向かいます。前哨戦のコーフィールドCは10月17日。どちらもハンデ戦なので、それぞれの主催者が同馬にどのくらいの斤量を課すかもポイントです。

 そして、11月5、6日のブリーダーズC(チャーチルダウンズ競馬場)。レッドディザイアが5日のフィリー&メアターフ、エスポワールシチーが6日のクラシックに挑戦します。どちらも10月2日にニューヨーク・ベルモント競馬場で行われるレースでひと叩きしてから本番に向かう見込み。来週以降わずか1か月半ほどの間に、日本馬の海外での出走が相次ぐことになります。これは楽しみですねぇ。

 日本経済への影響はさておき、日本馬の応援に行かれる方にとっては、今の円高はありがたいところでしょう。ユーロは約112円、オーストラリアドルは約88円、アメリカドルは約87円(三井住友銀行外貨宅配サービス・9月3日現在の円→外貨現金為替レート)ですから、これは数年前に比べたら断然おトク。日本にいるとき以上に、思い切って馬券を買えるんじゃないですか?

 さぁ、これから始まる秋競馬。あなたも自分なりのテーマを見つけて大いに楽しんでください。まだしばらくは炎暑が続きます。競馬場へお出かけの際は、くれぐれも熱中症対策をお忘れなく。では、また来週!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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