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中京→阪神の影響は?

  • 2011年03月21日(月) 00時01分
 今年の高松宮記念は阪神で行われるというのが例年と大きく違う点である。

 阪神の芝1200m重賞というとセントウルSや旧阪急杯があり、中京の芝1200m重賞というと高松宮記念の他にファルコンSがある。

 そこでまず試しに、阪神芝1200m重賞に勝った馬がその後中京芝1200m重賞に出走したケースの成績を調べてみると、これがけっこうひどい成績。すわ、両コースは相関性が低いのか!? と一瞬焦った。

 しかし、よく中身を見てみると、高松宮記念に出走した時点でピークを過ぎ、超人気薄になっていた馬の比率が高い。人気で惜敗している馬もいるので両コースに求められる適性が同じとは言わないが、神経質になりすぎる必要もないように思える。

 それを証明するように、今度は反対向きに中京で優勝→阪神に出走というケースを調べてみると、こちらはなかなか成績が良い。G1レベルの馬が成績を押し上げている面はあるが、少なくとも格上馬が脚元をすくわれるほどの両コースの違いは無いということだろう。

 ということで、基本的には例年と同じ構えで予想すればいいと思うが、ひとつ注意しなくてはならない点があるとしたらステップレースとの関連性だ。

 阪急杯、シルクロードS、オーシャンSの3つで見ると、阪急杯が1200m時代も1400mでもいちばん高松宮記念好走馬を出しており、シルクロードSとオーシャンSはいまいちという傾向にある。

 シルクロードSは直線平坦どうしでそんな結果だったわけだから、今年強調はしづらい。しかし、オーシャンSは坂コースどうしの組み合わせになるわけだから、例年より有利と解釈することは可能だろう。しかも今年のオーシャンS連対馬は2頭ともG1実績馬。例年の傾向をそのまま適用して下手に評価を下げるのは危険かもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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