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今年の函館芝はどんな感じ?

  • 2011年06月28日(火) 12時00分
 今週は函館スプリントSが行われる。

 函館芝ではテイエムオオタカがレコードを出しているが、他のレースも含めて比較すると馬場の傾向はどうなのだろうか?

 まず6月・良馬場・芝1200m・3歳以上という条件でクラス別に見てみよう。

 2006〜2010年の未勝利戦における最速タイムは改修前、2008年の1分9秒5。今年は1分9秒6が出て、もう1鞍は1分10秒3。2006年あたりは1分11秒台が普通だったのだが、年を追うごとにじわじわ速くなっている感じだ。

 500万条件では過去5年の最速が1分8秒7で、今年はシシャモチャンの1分9秒0が最高。とりたてて例年より速いという感じはない。

 1000万条件はこれも改修前の2008年から1分8秒台後半が普通になっていた。大穴をあけたエンシャントアーツが出した1分8秒8が例年の相場。テイエムオオタカの1分8秒0が突出して速い。

 同じように芝1800mについて見てみると、未勝利はほぼ例年なみ。500万条件はむしろ少し遅い感じだが、中距離はペースに左右されるところも大きいので評価は難しい。

 というわけで、馬場については今年が速いというより、改修前後から速くなって安定しているという印象だ。

 馬場の傾向という点ではそれよりも、芝1200mは逃げ有利・1800と2000mは差し有利という傾向に気を付けたい。

 函館スプリントSが行われる芝1200mでは、ここまで2歳戦も含め逃げた馬が[6-2-1-1]。残り4頭の勝ち馬のうち3頭は4角2、3番手で、差して勝ったのは2日目のビスカヤだけだ。

 リニューアル前後の2008年や2010年は逃げより先行だったが、今年はハナを切った馬がやたらと強い。テイエムオオタカが重賞でも逃げるとしたら、怖い存在になる。

 もうひとつ、テイエムオオタカにとって後押しとなる材料が、この2週で函館芝1200mを好走している馬の血統の偏り。自身を含めリファール系が4勝で、他にサクラバクシンオー産駒が4勝。函館スプリントSにはサクラバクシンオー産駒の登録がなく、リファール系もテイエムオオタカだけだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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