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フトシが選ぶ夏のベストレース!

  • 2012年09月04日(火) 18時00分
早いもので、『太論』が始まって丸1年が経ちました。その間、ユーザーからさまざまな質問が寄せられ、そのひとつひとつに、丁寧に答えてくれた小牧騎手ですが、今月はさすがの小牧騎手をも黙らせる(?)、『聞きづらいけど聞いてみたい! ギリギリ質問特集』です。と、その前に、第1週目の今回は、7月28日から開催8日間のベストレース、ワーストレースを振り返ります!

■下手に乗って、自分が嫌になったわ
──早いもので、太論も1周年を迎えました。

小牧 ウソ!? もう!? 年を取ると、1年経つのが早いねぇ。あ、思い出した! 1年前、ピンクのタンクトップ着て、写真撮ったねぇ(笑)。

──そうです、そうです。大評判でした(笑)。まずは直近のベストレース、ワーストレースからいきましょうか。

小牧 今回は4勝しかしてないんやなぁ(7月28日〜8月19日)。ちょっと調子が悪かったです。人間の気合い不足やな(笑)。ベストレースは…、ちょっと浮かばんね。

オーシャンブルーで西部スポニチ賞勝利

オーシャンブルーで西部スポニチ賞勝利

──西部スポニチ賞(8月4日)のオーシャンブルーの勝ちっぷりは、目を見張るモノがありました。

小牧 ああ、あれは強かった。ホントに強かったね。自信満々で乗りましたわ。調教で跨がったときに、『ああ、久しぶりに素晴らしい馬に出会ったな』と思ってね。これなら、どこからでも競馬ができるっていう手応えを感じたね。

──実際、ほとんど追うところなしの楽勝でしたものね。

小牧 うん。そのあと新潟で使ってアカンかったけどね(石橋脩騎手騎乗で天の川Sを4着)。僕は乗ってないけど、なんか残念やったわ。ただ、背中からして、重賞を勝てる器やと思う。あとね、池江厩舎では、調教で跨がった2歳にもすごくいい馬がいてね。ようわからんまま乗ってたんやけど、あとで聞いたら、新潟で勝ったサトノ(ノブレス)やったわ。やっぱり、2歳のいい馬は、新潟や札幌に持っていくんやね。

──橋口厩舎の2歳馬はどうですか? だいぶ入ってきたのでは?

小牧 そうそう、後半に出てくる組は、楽しみな馬が多いよ。まだみんなゲート練習の段階やけど、今日は初めてサトノユニコーン(牡・父ディープインパクト×母シャイアーズエンデ)っていう男馬に跨がってね。久しぶりに“これは、いい馬やなぁ”って思ったわ。あと、カレンバッドボーイ(牡・父ディープインパクト×母ロレットチャペル)もいいし、リディルやクラレントの下もいいね(牡・レッドアリオン)。今日、グレイスフルリープ(牡・父ゴールドアリュール×ラビットフット)っていう馬にも馬なりで乗ったんやけど、これもなかなか良かった。ここにきて揃ってきた感じやね。楽しみですわ。あとは僕自身、乗せてもらえるように頑張らな。

──そういえば、スクワドロンも一度使って変わりましたね。

小牧 そう、変わった。でも僕、もう乗れないんとちゃうかな。北村友一君で2着にきたから(その後、3戦目で初勝利)、もう返ってこないでしょう(笑)。今日、僕はレッドシェリフに乗って、助手さんがスクワドロンに乗って併せ馬をしたんやけど、失敗したな…と思いながら乗ってましたわ(笑)。

──続いてワーストレースですが、個人的には、ミッキーマーチ(小牧騎手騎乗で3戦連続2着)でだいぶご苦労されているようにお見受けしましたが…。

小牧 ああ、あの馬ねぇ、難しいねん。僕ね、この前(8月19日・小倉3R)は、ハナは切らないでおこうと思ってたんです。2、3番手で競馬をするつもりでね。その前2戦でハナを切ったら、ソラを使うんですわ。後ろの馬を待つ癖があってね。ゲートも出ないし、この前もボコッと出遅れたから、“まぁいいか”と思って後ろにいたんやけど、終始揉まれて砂を被るのも嫌やから、向正面で早めに好位に付けとこうと思って動いたんですわ。そしたら、エンジンが違うもんやから、先頭に行ってしまって…。あれはもう、僕のミスやね。

──でも、あの競馬で2着に粘るんですから、能力があるんですよね。

小牧 そう、能力があるんですわ。未勝利では力が違いすぎるくらいやね。あのレースのあと、なんか僕自身のリズムが狂ったね。下手に乗ったなぁ〜と思って、自分が嫌になった。なにをあそこで慌てたんかな、と思って。

──今思うと、抑えられたと。

まだ勉強することがたくさんある

まだ勉強することがたくさんある

小牧 そうそう。もうちょっと、そろ〜っと行けば良かったんやろうけど。まぁ、横に並んでたんでね、難しい場面ではあったんやけど。そのあたりも、まだまだ勉強やね。

──高い能力を持ちながら、抜け出すとソラを使うような馬に対しては、どう対処するのがベストなんですか?

小牧 馬に負けんように追うのが一番いいんやけどね。馬がどうしてもね、“イヤイヤ”になったりするから…。展開としては、強い馬が前にいて、ゴール前で差すっていうのが理想やね。なんせ、早めに抜け出すとダメやから。ホンマに難しいね。でも、この前のレースは僕の失敗です。次は、ミッキーマーチと同じレースで別の馬に乗る予定なんやけど、そういうときに限って、スッと勝たれたりするんやろうなぁ。

【次回の太論は?】
『聞きづらいけど聞いてみたい! ギリギリ質問特集』第1弾。「オルフェーヴルの乗り替わりについてどう思う?」「戦法がわかりやすい騎手は誰?」などなど、ユーザーからの“直球”に小牧騎手が答えます!
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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