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凱旋門賞観戦ツアーとフランスのローカル競馬場

  • 2013年08月31日(土) 12時00分
 凱旋門賞まであと1カ月ちょっと。そろそろ観戦ツアーの申し込みが締め切られる頃です。あなたは参加されますか?

 ツアーによって若干違いますが、10月3日(木)または4日(金)に出発、6日(日)の凱旋門賞を観戦し、7日(月)に現地をたって8日(火)に戻ってくる、という旅程が一般的。その中に、5日(土)を終日自由行動としているものがけっこうあります。もしあなたのツアーがそういう日程になっていたら、5日は何をしますか?

 凱旋門とエッフェル塔に登る、ノートルダム寺院とサクレクール寺院を回る、ルーヴルとオルセーの美術館を巡る、ヴェルサイユ宮殿を見学する、ひたすら買い物をする、有名カフェと三つ星レストランでグルメを堪能する、などなど、いろいろあるはず。でも、せっかくですから、フランスのローカル競馬に行ってみてはいかがでしょう?

 5日に競馬を開催しているのは、モンドマルサン、カヴァイヨン、サンブリュー、ラヴァル、アミアン、カーンとロンシャンの7カ所。このうちラヴァルは薄暮、アミアンはナイターなので、パリからの日帰りは難しそう。他もパリからかなりの距離があるところばかりですが、カーン(私はまだ行ったことがありません)なら行けると思います。

 当日のカーンはトロット(繋駕と騎乗速歩)のMidi(昼間)競馬です。通常、昼のフランス競馬は午後2時頃から始まりますが、Midiだと、第1レースが正午過ぎ、最終レースが午後4〜5時頃に発走します。つまり、日帰り観戦にピッタリということ。ちなみに、フランス国鉄(SNCF)のホームページで調べたところ、往きはパリ・サンラザール9時10分発、カーン11時04分着、帰りはカーン17時03分発、パリ・サンラザール19時16分着という列車がありました。最終レースまで見られるかどうかは微妙ですが、19時半頃にパリに戻れれば夕食の時間もタップリ取れるので、このスケジュールはオススメです。

 実は私、ディープインパクトが出走した2006年に観戦ツアーをプロデュースしました。そのツアーは帰国便が現地の火曜日発だったので、月曜日が自由行動日になっていました。そこで企画したのが「シャンティの“生きた馬の博物館”見学とアミアンのローカル競馬観戦」というオプショナルツアーです。

 これには20人ほどが参加。バスがアミアンの町に近づいたとき、世界遺産にもなっている有名な大聖堂が見えてきました。現地のガイドさんが「見学していきませんか」と誘ってくれたのですが、誰も「ウン」と言いません。みんな早くアミアンの競馬場に行きたかったんです。競馬好きが集まったツアーなので、当然と言えば当然。おかげさまでアミアンでの観戦は楽しかったですよ。

 5日はウイークエンドロンシャン開催の初日でもありますが、どうせならローカル競馬でしょう。ぜひお試しを!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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