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ゴールドシップの巻き返しはあるか?

  • 2013年11月19日(火) 12時00分


◆前走で負けている馬の好走確率と配当のバランス

 今年のジャパンカップ、ゴールドシップの取捨に悩んでいる方は多いことだろう。

 同馬の場合は、馬のやる気スイッチが入るか入らないかの問題であってデータで解釈するのは馴染まないと筆者自身も思っているのだが、あくまで客観的な数字ということで今回は以下のようなお話を披露してみたい。

 プレップレースで負ける、しかも人気になりながら馬券の対象から外れるというのは、もちろん喜ばしいことではない。一方で、負けてくることによって人気は下がるので、復活して馬券に絡むとその配当は上がる。馬の好走確率と配当のバランスがどうなっているのか、という問題である。

 以下の条件にあてはまる馬を探してみよう。

・平成以降の古馬芝G1
・前走がG1以外のレースで1番人気、かつ4着以下
・前走が地方、海外の馬は除く

 該当馬は152頭。その前走クラス別成績は

前走クラス   着度数     勝率 複勝率 単回収率 複回収率
1000万下 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0 0
1600万下 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0 0
OPEN特別 0- 1- 0- 24/ 25 0.0% 4.0% 0 25
G3 2- 3- 1- 48/ 54 3.7% 11.1% 17 30
G2 8- 7- 7- 48/ 70 11.4% 31.4% 183 98

 で、オープン特別以下を負けてきた馬はほぼノーチャンス、G3組も回収率が悪すぎるが、G2を人気で負けてきた馬はけっこうな高回収率である。

 ただ、これは芝G1すべてを対象にした話。ジャパンカップについては前走G2組だと該当馬が96年タイキフォーチュン(毎日王冠1番人気8着→JC5番人気6着)しかいない。そこをどう考えるかは馬券を買う個人個人によるだろう。

 冒頭に述べたようにゴールドシップの場合は馬自身の気持ちの問題なので、このデータを持って強気に買おうと主張するつもりはない。ただ、おさえるかいっそばっさり切ってしまうかという選択肢で悩んでいる人には「一応おさえたら?」くらい言いたくなるのが、過去のデータではある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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