◆三強、三銃士、色々呼び方はあるけれど…
去年の地方競馬で最も多くの勝利を挙げたのは、兵庫の川原正一騎手でした。
きのう更新された「地方競馬に吠える」の中で斎藤修さんも書かれていたとおり、去年の兵庫(すべて園田で開催)では、川原騎手と、田中学騎手、木村健騎手の3人が200勝以上をマークしました。同じ競馬場の所属騎手3人が同じ年に200勝以上を挙げたというのは、史上まれに見る快挙と言えるでしょう(ひょっとしたら前代未聞かも?)。
この3人は、岩田康誠騎手がJRAに移った後の2006年以降、兵庫のリーディング上位3位以内をキープし続けています。ではここで問題。こんな「3人が際立った存在であること」を何というでしょう?答えは、三強、ベストスリー、スリートップ、三羽がらす、三銃士、三傑などなど。兵庫の場合は、三傑と呼ぶのがふさわしい、と思うのですが。
では再び問題。去年の地方競馬に“兵庫三傑”よりもっと強力な三強がいたのをご存知ですか?それは、高知の赤岡修次騎手、永森大智騎手、西川敏弘騎手の3人です。
それぞれが挙げた勝ち星は、赤岡騎手が215勝、永森騎手が154勝、西川騎手が137勝で、これを合わせると506勝になります。去年の高知競馬は99日間の開催で、1日平均約11レースが行われました。なので、1年間に99x11≒1080レースが行われたとして、3人が勝ったレースの割合は、その約47%。つまりほぼ半数のレースを制したことになるわけです。これと同じ段取りで兵庫の数字を計算してみると、川原騎手+田中騎手+木村騎手の勝ち星の割合は約40%弱でした。“高知三傑”の“勝ち星占有率”がいかに高いか、おわかりいただけますよね。
ちなみに高知リーディング4位の宮西達也騎手と5位の宮川実騎手は、ともに106勝を挙げました(順位の差は2着の回数による)。この2人と“三傑”を合わせると、同競馬場では、リーディング上位5人が勝ったレースの割合が全レースの約67%に達します。高知所属騎手は総勢21人。そのうちの5人に約3分の2の勝ち星が集中、あとの16人(プラス他地区騎手)が残り約3分の1の勝ち星を分け合っている。これって、いいことなのかどうなのか、ちょっと微妙ですね。
ではまたまた問題。「5人が飛び抜けていること」を、何と言ったらいいでしょう?4人だったら四天王なんていう言い方がありますが、5人となると…。
インターネットでいろいろ調べてみましたが、さすがになかなか見つからなかったですね。トーナメントで言うと、準々決勝に進出すれば八強、準決勝に勝ち残れば四強ですから、五強はちょっとハンパ。やっと出て来たのが五賢人という言葉。もし去年の高知リーディング上位5人を例えて言うなら、“土佐五賢人”となるんでしょうか?
今年、“兵庫三傑”や“土佐五賢人”の構図に変化が見られるのかも注目です。