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皐月賞、買っていい馬券とそうじゃない馬券

  • 2014年04月19日(土) 12時00分


◆皐月賞ならではの“広がり”のある一戦

 今週は皐月賞。弥生賞を制したトゥザワールド、スプリングSに勝ったロサギガンティア、若葉S1着のアドマイヤデウス、さらにフラワーC優勝の紅一点・バウンスシャッセなど、前走を勝って出て来た馬が8頭もいます。これはおもしろいレースになりました。

 去年秋以降の2、3歳重賞とトライアルレースを“地方予選”と考えれば、今回の皐月賞は“全国選手権大会”。“各地の代表”が一堂に会し、チャンピオンの座を争います。ダービーや菊花賞がここまでの“広がり”を持った戦いになることはまずありません。皐月賞ならではの構図だと思います。

 最近では、2011年の皐月賞で出走18頭中9頭が前走1着馬、ということがありました。この時は、東日本大震災の影響でスケジュールが大きく変更されたにもかかわらず、(前走の)京成杯、きさらぎ賞、共同通信杯、アーリントンC、すみれS、弥生賞、若葉S、スプリングS、ニュージーランドTを勝った馬と弥生賞、スプリングSの2、3着馬、若葉Sの2着馬(ここまでで計14頭)が勢揃いしたのです。そんな群雄割拠の“大会”で“全国制覇”を果たしたのは、そう、オルフェーヴル(前走スプリングS1着)。「だからあの馬は強かった」のかもしれません。

 さて今年、“各地区代表”の中で強いのはどの馬か?これを見極めるのはかなり難しそうです。2011年のオルフェーヴルだって、4番人気だったくらいですからね。

 ヒントを探ろうと、過去10年の皐月賞で、どのレースの前走1着馬が1-3着に来ていたかを調べてみました。すると、弥生賞=1着2着各2回3着1回、スプリングS=1着4回、若葉S=1着2着3着各1回、共同通信杯=1着3着各1回、京成杯=3着1回となっていました。よく来ているという点では弥生賞がわずかにリード。スプリングSは1着あって2着3着ナシ。また、上記5レース以外の重賞やオープン特別の勝ち馬が来た例はない、ということです。

 これに、ここ10年で牝馬や右回り未経験馬の1-3着もないことを考え合わせると、買っていい馬券とそうじゃない馬券がそこそこ見えてきますね(もちろん、あくまでこのデータに基づいた作戦ですよ!)。

 つまり、馬単や3連単の頭で買うならスプリングS優勝のロサギガンティア。2(3)着以内に来る確率の高さで軸馬にするならトゥザワールド。人気馬の中で思い切って消しちゃうなら、前走がきさらぎ賞勝ちだったトーセンスターダムと右回り未経験のイスラボニータ。そして、1カ月ほど前の当コラムにも書きましたが、前走で負けていても、その前に重賞を勝っている馬から選べばアジアエクスプレスとワンアンドオンリーってことになるんですけど。アレッ、ますますややこしくなっちゃいましたか? まぁ難しい問題ほど、解けた時の満足感は大きくなるわけで。馬券、当てましょうね!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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