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ダービー出走馬をグループ分けして解説

  • 2014年05月30日(金) 18時00分


◆今年のダービーは難しい

 いよいよダービー。予想をする立場の人間として、いちばん当てたいレースである。ただ、今年は確たる軸がおらず、当てにいくことすら難しい。

 まずはダービーに出走する馬をどのようにグループ分けして考えるべきか整理しよう。ひとつは皐月賞組。それを前走好走組と大敗組に分けて考えたい。もうひとつは別路線組。オープン特別からの好走馬は極めて少ないので、基本的には「前走で皐月賞以外の重賞に出走していた馬」と考えればよい。当然ながら前走着順は良い前提となる。

 まず皐月賞組だが、前走好走組と大敗組の間には大きな成績差がある。せめて穴になるのなら大敗組を触ってみてもよいのだが、該当数の多さもあり、大敗組の回収率はぱっとしない。ならば素直に好走組から入ったほうがよい。

 皐月賞馬イスラボニータはやはり距離が鍵だろう。遺伝子検査でCT型だったなどという話も出ているが、そうだとしても2400mは上限に近い距離。他の要素を総合しても1800〜2000mベストのように見える。もちろん能力の絶対値が大きいので無印にはしづらいが、さりとて軸にもしづらい。

 トゥザワールドは3連複の軸として無難という印象だ。一時期差し天国になっていたダービーも最近はまた先行馬が強くなっており、この馬のポジション取りが合う可能性がある。また母系の底力は、大一番でやはり魅力だ。

 ワンアンドオンリーは皐月賞4着だが、ウインフルブルームが取り消したことで「皐月賞組の3番目」となった。脚質が脚質だけにリスキーな選択肢だが、ハーツクライ産駒だけに距離延長は魅力。母は短距離馬だったが、距離のもつ父×短距離馬の母という配合は、ヌーヴォレコルトやジェンティルドンナなどオークスでは走っている。

 皐月賞大敗組で1頭気になるのはトーセンスターダムだ。そもそも皐月賞というレースが合わないタイプ。コースの広さ、レースの流れ、路面、どれをとっても今回のほうが良い。

 別路線組では前走重賞1番人気1着馬がいない。ショウナンラグーンのように穴をあけてきた馬はダービーでは好走率が低い。1番人気で僅差2着のワールドインパクトのほうが良いだろうが、青葉賞の負け組が苦戦しているというのはやや気にかかる。京都新聞杯組は、取るならハギノハイブリッドだろう。血統と走りが一致せず正直よく分からない馬なのだが、そのぶん予想外の好走もありうる。

 牝馬レッドリヴェールは、バウンスシャッセを牡馬と牝馬の物差しにすると、ちょっと苦しいように思える。ただ、以前と比べて牝馬の対牡馬成績はかなり改善されており、ダンスパートナーが菊花賞に出た時代のように無下に消すこともできなくなっている。ヒモとして取る余裕があるならば入れておいてもいいだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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