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園田の宝物・オオエライジンの逆襲

  • 2014年06月17日(火) 18時00分

オオエライジン(撮影:大恵 陽子)



◆下原理騎手「普段の調教は本当に大人しいというか、やる気が無さすぎます(笑)」

来週25日は、上半期を締めくくるダートの頂上決戦・帝王賞が行われます!地方代表としてそのレースに出走を予定しているのが、園田の宝物オオエライジン。並み居る強豪たちを相手に、どんな戦いを見せてくれるのか−−主戦の下原理騎手を直撃しました。

赤見:下原騎手は、昨年の10か月の長期休養明けからコンビを組んでるわけですけど、これだけの馬に騎乗が決まった時はどんなお気持ちでしたか?

下原:正直、荷が重かったですね。僕もこれまでたくさんの馬たちに乗せてもらって、いろいろな経験を積ませていただきましたけど、オオエライジンは園田の宝物と言われていた存在ですし、その中で大井に移籍して、体調面が整わずに出走出来なかったじゃないですか。

こちらに戻って来たのはまだ暑い時期だったんですけど、かなりガタガタで。うちの先生も、とにかく慌てずにじっくりやろうって言ってました。

10月の復帰戦は、内容的には強くなかったかもしれないですけど、勝って本当にホッとしましたね。

下原理騎手(撮影:大恵 陽子)

イベントでそのたんと一緒に写る下原理騎手(撮影:大恵 陽子)



赤見:続く園田金盃では、以前のパートナーだった木村健騎手とワンツーフィニッシュして、馬上で握手してましたよね。あの場面は最高に感動的でした!

下原:本当にいい先輩です。木村さんにとっても思い入れの強い馬だと思いますし、自分が乗ってなくても復帰したことを喜んでくれました。これまでのレースのこととか、クセとかも丁寧に教えてくれて…。本当に感謝しています。

園田金盃の時は、木村さんとしては2着に負けて悔しい気持ちもあったと思いますけど、ゴールしてすぐに握手してくれて。なかなか出来ることではないと思います。以前所属していた橋本忠男調教師からも「おめでとう。よかったな」って声かけていただいて、すごく嬉しかったですね。

赤見:たくさんの方々に見守られているオオエライジンですけど、普段の性格はどんな感じですか?

オオエライジン(撮影:大恵 陽子)

普段は本当に大人しいオオエライジン(撮影:大恵 陽子)



下原:それがね、普段の調教は本当に大人しいというか、やる気が無さすぎます(笑)。多分、ライジンだって言わないで、知らない人が乗ったら下級条件の馬だと思いますよ。それが、速いとこに行くとガラッと変わるんです。飛びが大きくなって、「遅いな」と思うくらいでちょうどいい時計になるので、速くなりすぎないように気をつけてますね。

赤見:帝王賞に向けて、現在の様子はいかがですか?

下原:今朝(17日)、最終追い切りをしたんですけど、すごくいい動きでした。西脇はまだ涼しいですし、体調はすごくいいですね。輸送も問題ないので、体調面で不安なところはないです。メンバーは強いですけど、頑張って欲しいですね。

赤見:何か作戦は考えてますか?

下原:2007年にチャンストウライで4着に来たことがあるんですけど、ロスなく経済コースを通っての結果だったので、その時のイメージは持ってますね。大井は広いコースですけど、力が抜けてない限りは、ロスなく回らないと厳しいですから。内枠だったら最高ですね。

赤見:先頭に立つと、ソラを使ってしまうイメージがあるのですが。

下原:そうなんですよ!今回はさすがにメンバーが強いので、そこを気にし過ぎることはないですけど、勝負所で合図すると、一気にトップスピードになって先頭に立っちゃって、今度はソラ使って一気に減速してしまうという…。勝負所の加減が本当に難しいです。力はある馬ですから、その力をどう上手く引き出せるか、僕自身の問題ですね。

赤見:こういう馬に乗っていると、注目も集めますし、プレッシャーもあるんじゃないですか?

(撮影:大恵 陽子)

下原騎手「園田競馬にも注目してもらえたら嬉しいです」(撮影:大恵 陽子)



下原:それはありますね。いい意味で緊張感があります。今兵庫はトップ3(木村健騎手、田中学騎手、川原正一騎手)がかなり強いですから、自分としてはなんとかその牙城を崩したいと思ってます!オオエライジンももちろんですけど、園田競馬にも注目してもらえたら嬉しいです。

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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