オオエライジン(撮影:大恵 陽子)
◆下原理騎手「普段の調教は本当に大人しいというか、やる気が無さすぎます(笑)」来週25日は、上半期を締めくくるダートの頂上決戦・帝王賞が行われます!地方代表としてそのレースに出走を予定しているのが、園田の宝物オオエライジン。並み居る強豪たちを相手に、どんな戦いを見せてくれるのか−−主戦の下原理騎手を直撃しました。
赤見:下原騎手は、昨年の10か月の長期休養明けからコンビを組んでるわけですけど、これだけの馬に騎乗が決まった時はどんなお気持ちでしたか?
下原:正直、荷が重かったですね。僕もこれまでたくさんの馬たちに乗せてもらって、いろいろな経験を積ませていただきましたけど、オオエライジンは園田の宝物と言われていた存在ですし、その中で大井に移籍して、体調面が整わずに出走出来なかったじゃないですか。
こちらに戻って来たのはまだ暑い時期だったんですけど、かなりガタガタで。うちの先生も、とにかく慌てずにじっくりやろうって言ってました。
10月の復帰戦は、内容的には強くなかったかもしれないですけど、勝って本当にホッとしましたね。
イベントでそのたんと一緒に写る下原理騎手(撮影:大恵 陽子)
赤見:続く園田金盃では、以前のパートナーだった木村健騎手とワンツーフィニッシュして、馬上で握手してましたよね。あの場面は最高に感動的でした!
下原:本当にいい先輩です。木村さんにとっても思い入れの強い馬だと思いますし、自分が乗ってなくても復帰したことを喜んでくれました。これまでのレースのこととか、クセとかも丁寧に教えてくれて…。本当に感謝しています。
園田金盃の時は、木村さんとしては2着に負けて悔しい気持ちもあったと思いますけど、ゴールしてすぐに握手してくれて。なかなか出来ることではないと思います。以前所属していた橋本忠男調教師からも「おめでとう。よかったな」って声かけていただいて、すごく嬉しかったですね。
赤見:たくさんの方々に見守られているオオエライジンですけど、普段の性格はどんな感じですか?
普段は本当に大人しいオオエライジン(撮影:大恵 陽子)
下原:それがね、普段の調教は本当に大人しいというか、やる気が無さすぎます(笑)。多分、ライジンだって言わないで、知らない人が乗ったら下級条件の馬だと思いますよ。それが、速いとこに行くとガラッと変わるんです。飛びが大きくなって、「遅いな」と思うくらいでちょうどいい時計になるので、速くなりすぎないように気をつけてますね。
赤見:帝王賞に向けて、現在の様子はいかがですか?
下原:今朝(17日)、最終追い切りをしたんですけど、すごくいい動きでした。西脇はまだ涼しいですし、体調はすごくいいですね。輸送も問題ないので、体調面で不安なところはないです。メンバーは強いですけど、頑張って欲しいですね。
赤見:何か作戦は考えてますか?
下原:2007年にチャンストウライで4着に来たことがあるんですけど、ロスなく経済コースを通っての結果だったので、その時のイメージは持ってますね。大井は広いコースですけど、力が抜けてない限りは、ロスなく回らないと厳しいですから。内枠だったら最高ですね。
赤見:先頭に立つと、ソラを使ってしまうイメージがあるのですが。
下原:そうなんですよ!今回はさすがにメンバーが強いので、そこを気にし過ぎることはないですけど、勝負所で合図すると、一気にトップスピードになって先頭に立っちゃって、今度はソラ使って一気に減速してしまうという…。勝負所の加減が本当に難しいです。力はある馬ですから、その力をどう上手く引き出せるか、僕自身の問題ですね。
赤見:こういう馬に乗っていると、注目も集めますし、プレッシャーもあるんじゃないですか?
下原騎手「園田競馬にも注目してもらえたら嬉しいです」(撮影:大恵 陽子)
下原:それはありますね。いい意味で緊張感があります。今兵庫はトップ3(木村健騎手、田中学騎手、川原正一騎手)がかなり強いですから、自分としてはなんとかその牙城を崩したいと思ってます!オオエライジンももちろんですけど、園田競馬にも注目してもらえたら嬉しいです。