■宝塚記念(G1・阪神芝2200m)フルゲート18頭/登録13頭
【特注必見データ!】 〜レースデータから〜
・宝塚記念 前走上がり3F順位別成績(阪神過去10年)
[上がり1位] 1-1-1-19 連対率 9.1% 複勝率13.6%
[上がり2位] 0-2-4-15 連対率 9.5% 複勝率28.6%
[上がり3位] 1-0-0-9 連対率10.0% 複勝率10.0%
[同4〜5位] 6-4-0-15 連対率40.0% 複勝率40.0%
[6位以下馬] 0-1-3-44 連対率 2.1% 複勝率 8.3%
昨年、ダノンバラードやゴールドシップの好走をズバリ予測したこのデータ。今年は集計期間を阪神での過去10年分まで延長してみたが、傾向にはいっさい変化が見られない。前走上がり順位と結果との関係を、まずはじっくり確認してもらいたい。
コースデータの項目でも触れるが、宝塚記念は序盤3F〜中盤でいっさい緩む部分がないという、非常に厳しいラップが刻まれやすいレース。序盤〜中盤が緩んでの瞬発力勝負で好走してきた馬が、コロッと負けやすいコース&レースなのである。
それを如実に表しているのが、上記のレースデータだ。前走での上がり順位が1位から3位までの馬は、いずれも連対率10.0%前後。まったく来ないワケではないのだが、人気を集めるわりに、その信頼度はかなり低い。ちなみに、前走上がり順位3位以内でこのレースを制したのは、名牝スイープトウショウただ1頭だ。
また、前走上がり順位が6位以下だった馬も、連対率は2.1%と低空飛行。つまり、前走での上がり順位が4位〜5位というソコソコ速い上がりを使って、なおかつ好走していた馬が、宝塚記念ではもっとも期待できる──という結論となる。また、先行して粘れるタイプのほうが期待できるという点も加味しておきたい。
今年の登録馬では、ヴェルデグリーン、ゴールドシップ、マイネルラクリマ、メイショウマンボの4頭が「前走上がり順位4位〜5位」という条件に合致。脚質を考えると、マイネルラクリマとメイショウマンボはかなりアツい。また、先行策を取ってくるなら、ゴールドシップも要注目である。
【コース基本情報】阪神芝2200m内 Bコース使用
・コース回収率
[やや低め] 単勝71%・複勝69% 8番人気以下の好走率はかなり低め
・馬連万馬券出現率
[低め] 9.1%(平均値↓3.3% 馬連平均配当4707円)
・枠番別複勝率(12〜14頭立て)
[1枠〜2枠] 勝率 0% 連対率16.7% 複勝率22.2% 複回率 68% 枠番値+0.5
[3枠〜4枠] 勝率14.3% 連対率21.4% 複勝率32.1% 複回率213% 枠番値+0.4
[5枠〜6枠] 勝率 2.9% 連対率 5.7% 複勝率14.3% 複回率 30% 枠番値-0.7
[7枠〜8枠] 勝率11.1% 連対率19.4% 複勝率25.0% 複回率 83% 枠番値+0.2
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[01番〜07番] 勝率 8.1% 連対率17.7% 複勝率25.8% 複回率123% 枠番値-0.1
[08番〜14番] 勝率 7.3% 連対率12.7% 複勝率20.0% 複回率 65% 枠番値+0.1
→データ自体の信頼度が低く、やや内枠有利かなという程度の印象。
・脚質別信頼度
先行>逃げ>>差し>>追込 流れは厳しいが内回りでもあり前が残る
・推定ラップ&タイム
[前傾] 34.8-61.2-35.2=2.11.2 前傾で中盤も緩まない厳しい流れに
今どき珍しいことに、内回りである阪神芝2200mで行われているG1・宝塚記念。当然ながら先行力と持久力の要求レベルが高く、瞬発力勝負が圧倒的に多い昨今の芝G1のなかでも、その立ち位置はかなり特殊といえる。
とはいえ、阪神芝2200mはいわゆる「荒れるコース」ではない。集計期間内に行われた44レースのうち、じつに41レースで7番人気以内馬が勝っている。8番人気以下馬はトータル[3-7-6-260]で連対率3.6%、複勝率5.8%という信頼度の低さで、基本的には人気スジを狙ったほうがお得なコースである。
枠番別成績については12頭〜14頭立てのレースに限定したため、データの母数が不足。とはいえ、コース形態から考えても「内>外」であり、実際にデータも外より内のほうが連対率、複勝率ともに5%ほど高くなっている。内枠から距離ロスなく立ち回れる馬に有利という、競馬の基本に忠実なコースといえそうだ。
流れはスタート直後から速く、上のクラスでは中盤も緩まずに厳しいラップが刻まれる。それでいて前が止まらないので、上がり一辺倒の馬では厳しい。オススメは、内枠から好位で流れに乗って、最後まで踏ん張れるようなタイプ。この条件に該当するようであれば、人気薄でもけっして侮れない。
【レース基本情報】宝塚記念(G1) 阪神過去10年
・レース平均配当
単勝1384円 馬連3496円 3連複5627円
・1番人気馬成績
[2-3-2-2] 勝率22.2% 連対率55.6% 複勝率77.8%
・3番人気以内馬成績
[5-7-6-9] 勝率18.5% 連対率44.4% 複勝率66.7%
・4番人気〜9番人気馬成績
[3-2-2-47] 勝率 5.6% 連対率 9.3% 複勝率13.0%
・10番人気以下馬成績
[1-0-1-53] 勝率 1.8% 連対率 1.8% 複勝率 3.6%
・1着馬脚質シェア
[逃げ] 22.2% [先行] 22.2% [差し] 44.4% [追込] 11.1%
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ] 7.4% [先行] 48.1% [差し] 29.6% [追込] 14.8%
・年齢別成績
[3歳馬] 0-0-0-3 連対率 0% 複勝率 0%
[4歳馬] 5-3-5-32 連対率17.8% 複勝率28.9%
[5歳馬] 1-5-2-29 連対率16.2% 複勝率21.6%
[6歳馬] 2-1-2-18 連対率13.0% 複勝率21.7%
[7歳↑] 1-0-0-27 連対率 3.6% 複勝率 3.6%
・性別成績
[牡馬] 8-7-8-102 連対率12.0% 複勝率18.4%
[牝馬] 1-2-1-7 連対率27.3% 複勝率36.4%
・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
[1枠〜2枠] 1-2-4-21 連対率10.7% 複勝率25.0% 枠番値+0.5
[3枠〜4枠] 1-5-2-26 連対率17.6% 複勝率23.5% 枠番値-0.2
[5枠〜6枠] 4-1-1-29 連対率14.3% 複勝率17.1% 枠番値+0.3
[7枠〜8枠] 3-1-2-33 連対率10.3% 複勝率15.4% 枠番値-0.4
・厩舎所属別成績
[美浦] 1-0-1-25 連対率 3.7% 複勝率 7.4%
[栗東] 8-9-8-81 連対率16.0% 複勝率23.6%
・前走距離別成績
[芝1600m] 1-2-1-14 連対率16.7% 複勝率22.2%
[芝1800m] 0-0-0-8 連対率 0% 複勝率 0%
[芝2000m] 4-3-3-32 連対率16.7% 複勝率23.8%
[芝2400m] 1-0-0-5 連対率16.7% 複勝率16.7%
[芝2500↑] 3-4-5-48 連対率11.7% 複勝率20.0%
[ダート戦] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
・前走クラス別成績
[中央G1] 4-6-4-40 連対率18.5% 複勝率25.9%
[中央G2] 3-1-3-47 連対率 7.4% 複勝率13.0%
[中央G3] 0-1-1-10 連対率 8.3% 複勝率16.7%
[OP特別] 1-0-0-2 連対率33.3% 複勝率33.3%
[条件戦] 0-0-0-4 連対率 0% 複勝率 0%
・注目出走パターン
[買い] 前走中央で3番人気以内かつ3着以内(連対率25.6%、複勝率41.0%)
[不振] 前走海外&前走1番人気をのぞく前走4着以下馬(0-1-1-51)
[不振] 中8週よりも長い間隔での出走(0-0-1-11)
[不振] 7歳以上馬(1-0-0-27)
[全滅] 前走G1組をのぞく前走6番人気以下馬(0-0-0-20)
[全滅] 前走1着馬をのぞく関東馬(0-0-0-18)
単勝平均配当は単勝1384円とソコソコの水準にあるが、目立っているのが3連複平均配当の5627円という異様なまでの安さ。3番人気以内馬が[5-7-6-9]で複勝率66.7%としっかり人気に応えており、超人気薄の激走はほとんど見られないという傾向は、コースデータとおおむね同じといえる。
面白いのが枠番別成績。フルゲート以外の年が多いのでアテにはしづらいデータなのだが、全体的にはやはり内枠優勢だ。注目したいのが、勝ち馬は5枠〜8枠から、2着〜3着馬は1枠〜4枠から圧倒的に多く出ているということ。人気馬が「地力」で不利な外枠からでもアタマをもぎ取り、2着〜3着には内有利というコースの特性を生かした馬が来ていると考えられる。
関東・関西では圧倒的に関西馬が強く、関東馬で馬券に絡んでいるのは「前走1着馬」のみ。この条件を満たす関東馬が1頭も登録していない今年は、全滅する可能性もありそうだ。前走距離別成績や前走クラス別成績では大きな偏りは見られないが、前走レースの「格」や順調さが問われるレースであるのは間違いない。
【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
先週に引き続きBコースで、パワータイプに向きそうな印象を受ける。
・天候予測
週末まで延々と曇り空。中間で多少の降雨はありそうだが、良馬場前提。
・勝利数トップ種牡馬
ディープインパクト 勝率13.6% 連対率27.3% 複勝率31.8%
・著者の注目血統
ディープインパクト産駒○、ハーツクライ産駒○、ステイゴールド産駒○
じつはマンハッタンカフェ産駒がアホほど強いコースなのだが、今年はエントリーなし。登録数からはディープインパクト産駒とハーツクライ産駒の「二強」対決といった図式で、それに宝塚記念で異様に強いステイゴールド産駒が加われるかどうかといったところ。血統という側面から評価の上げ下げをする必要性を、今年はほとんど感じない。
というわけで、上記3種牡馬の評価は横並びに設定。ただし、現在の馬場はキレ型よりもパワー型に向く印象があり、軽さとキレが身上であるディープインパクト産駒に向くかといえば、ビミョーなところ。コレも、今年は血統をあまり重視しないほうがいいのでは──と主張する理由のひとつだ。
★総論×各論
どれほどの豪華メンバーとなるのか……と胸を弾ませていた時期もあったが、出走予定馬の戦線離脱や回避が多くなるのは、宝塚記念の常。登録も13頭と寂しくはなったが、それでも女傑ジェンティルドンナや昨年の覇者ゴールドシップに、「無冠の帝王」ウインバリアシオンなど、かなりの豪華メンバー。春の総決算にふさわしい、すばらしいレースが期待できそうである。
一長一短というタイプが多いなか、当データ分析で「圧倒的」といっても過言ではない評価の高さとなったのが、4歳牝馬メイショウマンボだ。プラス評価の項目の多さは完全に抜きんでており、マイナス評価となる項目はほぼゼロ。このレースの三強とまとめて退ける可能性を秘めた、今年の特注馬といえる。
二番手評価にジェンティルドンナ。ドバイシーマクラシックからの直行は昨年とまったく同じローテで、レース間隔は開くが今年も順調に来ている様子。前々で流れに乗って速い上がりを繰り出せるというのも、宝塚記念を戦う上では大きな魅力。ここでも、安定感のある走りを期待できそうだ。
三番手評価にウインバリアシオン、四番手にマイネルラクリマまでが上位評価組で、以下はゴールドシップ、カレンミロティック、ホッコーブレーヴといった評価順。ゴールドシップはもっと上に評価できなくもないのだが、どう乗るかがサッパリ読めないというのは、やはり大きなマイナス。鞍上の乗り替わりが続いているのも、G1戦線を勝ち抜く上でプラスとは絶対にいえない要素。人気馬で1頭消せと言われたら、迷わずココを選ぶ。
というわけで、馬券もメイショウマンボから入る買い方を推奨。配当妙味はかなりのものになりそうで、相手にズラッと人気馬を並べても、組み合わせ次第では高配当まで狙えるはずだ。あとは枠番次第、オッズ次第。春のG1シリーズの締めくくりにふさわしい、白熱したレースを期待したい。
※コースデータ&血統データは2011年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。