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◆馬場発表はより正確さが求められる時代

「当日、競馬場にいました?　結構な泥んこ馬場になってましたからね。ああなったらウチのは強いですよ」とは先週の宝塚記念を勝ったゴールドシップのある関係者。他の関係者もまた「芝を押すと水分がジワッと出てくるような感じで馬場は結構悪かった。ああなったらゴールドシップは強いよね」と。さらには勝った横山典のインタビューもやはり「馬場が結構悪かった」。

　多くの人間が芝は悪かったという印象を持った今年の宝塚記念だが、JRAから発表された馬場状態はあくまで「良」。馬が走ると掘り起こされた土や泥が跳ね飛ぶような芝で、時計のかかり方を見ても、明らかに馬場は良くはなかった。果たしてあの状態を良馬場と言い切ってしまっていいのか?

　昨年の宝塚記念もかなり芝が悪く、個人的な印象では完全な道悪競馬だったが、当時も「良」発表。時折、実際の芝の状態と発表される馬場状態に違和感を拭えない時があるが、今年の宝塚記念も同じような感覚に陥ってしまった。現地に行かずに、ネットで馬券を買う人間が増えているような今の状況を考えれば、馬場発表はより正確さが求められる時代になっていると思うのだが…。

　開幕週を迎える中京競馬。本来なら芝は良好だろうが、週末の雨模様がどう馬場に影響を与えるかはギリギリまでチェックしたいところ。もし馬場が悪化するようなら、より前に行ける軽量馬が有利となろう。となればCBC賞は「1200メートルは折り合いの心配がない距離なので、この馬にとって本気を出せる舞台」と角田調教師が自信を見せるベルカントへの信頼度がさらに高まると考えている。
　(栗東の坂路野郎・高岡功)