“カルストンロード”を稲妻のように駆け抜けるのはセイコー雷光だ/トレセン発秘話
◆大根田調教師「アイビスSDにはF1みたいな楽しさがある」
「アイビスSDにはF1みたいな楽しさがある」かつてカルストンライトオを管理していた大根田調教師の弁だ。
「コーナーがある競馬でも外めを走る馬はいるけど、外ラチピッタリを走ってくる馬は直線1000メートルの競馬にしかおらんやろ。しかも1ハロン10秒を切るか切らないかのすごいスピードでファンの目の前を突っ走る。このレースにしかない迫力やと思うで」
カルストンライトオは2001年の第1回アイビスSDから計4回参戦して2勝。02年に記録した53秒7のレコードはいまだに破られていない。
「レコードをマークした02年もかなり盛り上がったんやけど、それ以上だったのが04年やったね。内めの枠(5番)を引いたんやけど、スタートから一気に外ラチ沿いまで行った時、えらい歓声が上がってめっちゃ盛り上がったんや。どこまで外に行くんやって感じやったんやろうね。あれ以降、“カルストンロード”ちゅうて、皆が外ラチ沿いを走るようになった気がするわ」
創設当初からこのレースを見てきたトレーナーはJRAに対していつも改善点を指摘していたという。「最初のころは新潟開催の最後の方にやっていたやろ。せっかく一番速い馬を決めるレースなのに、馬場が悪くなってからやったらもったいない。ファンの皆に『今年はレコードが出るのかな』ってワクワクしながら競馬場に来てもらうためにも、開幕週の馬場でやった方がええと言っておいたんや」
そのアドバイスが効いたのかどうかは定かではないが、06年以降は新潟開幕週に移設された当レース(12年は除く)。雨さえなければ、今年も絶好の馬場で開催されるだろう。「カルストンライトオのレコードが破られたらちょっと寂しくはなるんだろうけど、それで競馬場が盛り上がるんならそれもええんちゃう」とは大根田師だが、今年“カルストンロード”を奪って真っ先にゴール板を駆け抜けるのはどの馬なのか?
韋駄天Sでは当舞台ではめったに見られない「馬なりV」という圧倒的なパフォーマンスを披露したセイコーライコウがその筆頭候補と坂路野郎はみているが果たして!?
(栗東の坂路野郎・高岡功)