初の夏稼働ダノンシャーク「取れるところを取る」/トレセン発秘話
◆かたや中京記念で2着したミッキードリームの音無調教師は、いざ勝負の話になるとトーンが下がる。
休養明けの中京記念で2着し、叩いた今回は「順当に上積みがある」と音無調教師が語る関屋記念出走予定のミッキードリーム。だが、いざ勝負の話になるとトーンは下がる。理由は簡単で「新潟は結果が出ていないから」。
サマーマイルシリーズの初戦と2戦目に設定されている中京記念と関屋記念の両レースは同じ左回りのマイル戦でもその性質はかなり異なる。直線に坂があるうえに時計のかかるタフな芝で開催される中京と、日本で一番速い上がりが出る平坦で軽い芝の新潟…求められる適性は正反対に近いのだ。
「先週、新潟で勝ったウチの新馬(ダノンリバティ)だって上がり3ハロンは33秒3だからね。関屋記念も過去のレースを振り返ると、勝ち負けするには32〜33秒台の末脚が必要になってくる。ミッキードリームにはそういう競馬は難しいから」(音無調教師)
実際、同じローテだった昨年は中京記念2着の後、関屋記念で11着に大敗しており、トレーナーのトーンがいまいち上がってこないのも無理はない。
その昨年はミッキードリームだけでなく、中京記念の勝ち馬フラガラッハも関屋記念で10着に惨敗。逆に一昨年の中京記念で14着に大敗したエーシンリターンズは関屋記念で2着に激走するなど、成績がガラッと変わる馬が少なくない。両レースで求められる適性がいかに違うかの証明といえるだろう。
普通に良馬場で開催されれば今年も瞬発力勝負になる可能性大。となれば、やはりマークすべきはディープインパクト産駒となろうか。なかでも「例年なら夏は休んで秋に大きいところを狙っていたけど、その大きいレースで少しだらしがないからね。今年は取れるところを取っていこうという気持ち」と大久保龍調教師が初の夏稼働の理由を話すダノンシャークに注目だ。新潟は初めてだが、軽い芝の京都を得意とする馬だけに間違いなくジャストフィットするだろう。
(栗東の坂路野郎・高岡功)