◆競馬場での発売を今後の課題に
南関東で「SPAT4 LOTO トリプル馬単」の発売が始まってから、8月末で3カ月が経った。8月19日からは南関東だけでなく門別もトリプル馬単の対象となっている。
南関東だけで見ると、8月末まででトリプル馬単が発売されたのは、のべ57日。最高額となる3億円の配当は出ていないが、投票の最低口数5口(50円)に対して、100万円を超える配当は30回。そのうち1000万円を超える配当も3回あり、ここまでの最高配当は4,045万3880円(7月28日・大井)というもの。
キャリーオーバーは16回あり、50円に対して100万円未満の配当だったのは11回しかない。さすがに億の配当は出なくても、キャリーオーバーもそこそこあって、100万円以上の配当がかなりの割合で出現しているということでは、高額配当馬券としては魅力的に映るといっていいのではないだろうか。
7月末の大井開催でキャリーオーバーが3日続いたことがあり、それで持ち越された金額が5200万円余り。その翌日の開催での投票が4900万円余りあったので、いずれ億の配当も出るのではないだろうか。ちなみにその4日目に的中が出た時は190口もの的中があり、5口(50円)あたりの配当は228万円余りだった。
1日の発売額では、当然のことながらキャリーオーバーが出た次の開催では極端にアップするが、キャリーオーバーによる繰越がない日はだいたい1千万円強で推移している。4場どの競馬場でもキャリーオーバーがない限りあまり発売額が変わらないというのはおもしろい。SPAT4のみでの発売なので、競馬場がどこであれ、あまり関係ないということなのだろうか。
今年度、南関東での1日平均の馬券の売上げは、大井が約9億3000万円で、それ以外の3場が約7億円。トリプル馬単の売上げはキャリーオーバーによる変動は大きいが、仮に1日1500万円とすると、馬券全体の売上げのうち、大井では約1.6%、ほか3場では約2.1%程度ということになる。
今後の課題として検討してほしいのは、やはり競馬場での発売だ。JRAのWIN5でも以前から要望が多かったが、報道などによると、10月以降、京都競馬場や一部WINSのi-Seat(専用のICカードで在席のまま馬券が買える指定席)で投票できるようになるようだ。
競馬場でトリプル馬単の投票を実現するためには、JRAのi-Seatと同じようなしくみで、さらにSPAT4と接続して、ということが必要になるのだろう。
そもそも高配当馬券は、いわば宝くじのようなもので、買い目を広げなければ当てるのは難しい。大井や川崎のナイターは、仕事帰りにグループで来場しているファンも少なくない。そうしたファンに、何人かでお金を出し合って、百万、千万、億を狙おう、みたいな売り方ができれば、新規ファンの獲得にもつながると思うのだが、どうだろう。