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既存勢力の強いローズS

  • 2014年09月16日(火) 12時00分


今年の複穴候補はこの馬と決め打ってみたい

 牡馬にせよ牝馬にせよ3冠目に向かうプレップレースでは「既存勢力か、新興勢力か!?」という構図になるわけだが、ことローズSに限っては既存勢力の圧勝である。

 過去10年の着度数で言うと、前走GI組が[9-6-3-36]。その他の組は複穴、しかも3着メインで狙うしかない。

 ちなみに前走GI組は桜花賞からが3頭(うち1頭がダイワスカーレット)、NHKマイルCからが2頭(うち1頭がラインクラフト)で、残る49頭はオークス以来となる馬たちである。

 もちろんオークス組はもともと強かったのだが、阪神が改修になって以降、さらにその傾向が強まったように思う。2007年以降の7年間だと前走GI組が[7-4-1-26]で単回収率191%・複回収率96%。一方で前走500万条件組は[0-1-1-25]とほとんど通用しなくなった。昨年の2、3着馬がともにこの組だったのだが、再現はそう簡単ではない。

 前走1000万条件〜GII組を3着でもよしという前提で狙う方がまだ考えられる。前走で1000万条件〜GIIを連対してきた馬は07年以降[0-1-4-6]で複回収率219%だ。

 今年の登録馬で唯一の該当馬が、前走1000万条件2着のヒルノマテーラ。他に前走1000万条件1番人気4着の馬が3頭いてレベル的には似たくらいではあるが、データの話は例外を認め出したらきりがない。今年の複穴候補はこの馬と決め打ってみたい。

 前走GI組は7頭いるが、過去の相場だと、春のGIで5番人気以内か5着以内を経験している必要があり、この網に引っ掛からない馬でも6着はあった。そうするとダンツキャンサーとディルガは対象から外れ、桜花賞6着のあとNHKマイルC14着のアドマイヤビジンもちょっと苦しい。

 残る4頭を1、2着、3着候補にヒルノマテーラを加えると3連単のフォーメーションは36点。単純に例年の相場からいくと、結論はこのようになってくる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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