――10月12日に引退ということですが、その後の予定は?
「できれば、僕のいままでの経験を伝えたいです。10月12日に免許を取り消せばJRAの内部から離れるので、そのときに。(いままでは)馬券を応援してもらってた立場、応援してもらえる立場だったんですけど、僕も一緒になって買ってファンの人と一緒に楽しみたい。(JRAの内部の立場からは)離れるんですけど、スタイルは変わるけど、JRAを応援したい。騎手クラブを応援したい。騎手・佐藤哲三だったよ、というのは伝えていけるか、と思います。
今後のやりたいことの中でいちばん僕が思っているのは、地方のウインズだったり、競馬場から遠いところで馬券を売ってるウインズとかあるじゃないですか。そこではたぶん、ジョッキーというのを間近で見れることはないと思うし。僕はジョッキーじゃなくなるけど、その中で…まぁ、これからちょっとくらいの期間だったらまだジョッキーの匂いはあると思うんで。そういう中で競馬の話とか、騎手の話とか。いろいろ出来て、また競馬のファンになっていただけたらな、と思います」
――地方行脚するんですか?
「はい。旅に出ます。ずっと病院生活だったんで。」
▲引退後は「旅に出ます。ずっと病院生活だったんで」と語る佐藤哲三騎手
■一般質問に移ります
――壮絶なリハビリをされている中でいちばんの支えになったものは?
「もっと壮絶なリハビリをしたかったんですけど、自分の腕が動かないのを確認して、それがちょっとでも動いたらっていう作業だったので。そっちのほうがつらかったのでね。
支えっていうのは、事故してから何ヶ月か、すごい自分の左腕は見たこともないようなかたちになって。まぁそれこそアクションものとか、ワンピースとか転がったりするものとか、怖くて見れないほどビビッてて。騎手(としての復帰)とか全然考えられてないときに、いつも応援していただいてお世話になっている前田幸治オーナーがよく病院に足を運んでくださって励ましてくださって。その中で全然体が動かない僕に『復帰したら俺の馬、乗りたいやつ全部乗ればいいから』って言っていただいて。そういうふうに言っていただけたら僕は頑張るしかないし、そうやってもらえる方に対しては頑張って応えたいなと思うところから、また騎手として戻ろうかな、と思ったので。いちばんの励みはその言葉でした」
――やり残していることがあるとしたら?
「目標をずっと置いていたのは