今年の凱旋門賞、配当面はどうだった?
今回の当コラム、ネタをどうしようかいろいろ悩みましたが、やっぱり凱旋門賞の話を書いておかないと収まりがつかないでしょう?“後出しジャンケン”ということをお許しの上、お読みください。
トレヴには恐れ入りました。先週の「週刊競馬ブック」の「一筆啓上」というコラムに、過去のデータを引っ張り出して「連覇は難しい」と書いたのですが、“赤っ恥”もいいところ。見事に“あざ笑われて”しまいました。さらに、2着のフリントシャーにもビックリです。去年の凱旋門賞に続き、今年の前哨戦・フォワ賞でもルーラーオブザワールドに先着を許していた同馬が、今回“逆転”して“連対”を果たすとは…。
フランスで最も一般的な馬券=PMUで最終的に1番人気に推されたのはタグルーダでしたが、これが3着に入ったほかは人気馬総崩れ。馬連は114.3倍、馬単は219.2倍もつきました。ちなみに3連単は1121.7倍。「思ったほどの高配当じゃないな」と思われるかもしれませんが、これには理由があります。フランスの3連単は、着順を決めて3頭をピックアップするスタイル。その通りに決まれば“ズバリ賞”、着順が違っても、選んだ3頭が1-3着に来れば“残念賞”がもらえます。日本と同じシステムだったら、軽く2000倍を超える配当になっていたはず。それくらい、予想しづらいレースだったわけです。
「それはそうと、日本馬に関してはどう思う」って? 結果だけ見れば、残念としか言いようがありません。もちろん、その中には、いろんな意味が込められていますよ。どうしてこういうことができなかったのか、とか、もっとこうしておけばよかったのに、とかね。でも、“言うは易く行うは難し”。その難しいことをできるようにしなければ勝てないのが欧州の競馬なんでしょう。関係者のみなさん、より一層の奮闘努力をお願いします!
そうそう、今回の凱旋門賞と“リンク”させるべきではないかもしれませんが、「それもそうだな」と思った話があります。
つい最近の野球中継。私がベンチレポートを務めた試合で、投手コーチ経験のある解説者がおっしゃっていました。
「ブルペンの投手陣の状態は日々変わるんですよ。きのうはよくても、きょうはダメとか。それに、いろいろな“チーム事情”があって、できることとできないことがある。でも、そんなこと、“外”にはゼッタイ言えません。『あそこでなぜ続投させなかったんだ?』とか『どうして代えたんだ?』って言われても、ホントのことは言えないんです」
競馬にも似たようなことがあるんじゃないですか?
今回フランスに遠征した3頭には、この先も日本に帰って、あるいは再び海外へ渡って走るという仕事が残されています。とりあえず、無事に帰ってきて次に進むことが大事です。そして世界に向けては、挑戦を続けていくしかありませんよね!