ローズS組の期待値は?
秋華賞が行われるのは京都芝2000m内回り。それに対してローズSは阪神芝1800m外回り。
本来ならここで「内回り適性が要求されて人気馬が負け、人気薄が激走」となってくれると、穴党の欲求は満たされる。しかし実際には、あまりそのようなシーンは出現していない。
これが力量差によるものなのか、それとももともと両コースの行き来にさほどリスクはないのかを整理しておきたい。そこで今回は、未勝利戦まで含めて阪神芝1800m→京都芝2000mと使われた馬の成績を集計してみたい(阪神が改装された06年秋を起点とし、今年の春開催まで)。
当該期間に、阪神芝1800mを走った馬はのべ4790頭。そこで引退した馬もいるので、「その次走」は4236走となり、回収率は単84%・複83%。
そのうち京都芝2000mだったのは306走で、回収率は単55%・複66%。クラス変動が絡まない形だったのは273走で、単57%・複65%。
……このコース替わりで穴は出ておらず、むしろ堅いということになる。
ただ、よく見てみると「前走同級2〜3着馬」の回収率は単48%・複69%で決して高いわけではなく、このコース替わりで京都芝2000mの1〜3番人気になった馬も単59%・複65%で低い。
あらゆる前走レースの馬を含めた京都芝2000mの全馬均等買い時回収率は、2007年以降で単61%・複76%とこれ自体堅いのだが、いま挙げた2グループの数字は単複ともにこれ以上に低い。
つまり京都芝2000mにおいて、「阪神芝1800mから来た人気馬」は好走頻度はそれなりにあるが期待値の面でおいしいわけではなく、さりとて同じ前走の人気薄が激走することも期待できない、ということである。
秋華賞におきかえると、ローズSから来る人気馬は、消すまではできないけどそれ自体はおいしくない。かといって、ローズS負け組の人気薄馬に期待するのはスジとして良くない。穴を狙うなら別ルートの馬、という結論である。