■秋華賞(G1・京都芝2000m内)フルゲート18頭/登録21頭
【コース基本情報】京都芝2000m内 Aコース使用
・コース回収率
[やや低め] 単勝57%・複勝72% 人気薄の1着率はきわめて低め
・馬連万馬券出現率
[低め] 6.8%(平均値↓5.6% 馬連平均配当2916円)
・枠番別複勝率(16頭立て以上)
[1枠〜2枠] 勝率 8.5% 連対率15.1% 複勝率22.6% 複回率 91% 枠番値+0.3
[3枠〜4枠] 勝率 5.7% 連対率 9.9% 複勝率14.2% 複回率 43% 枠番値-0.3
[5枠〜6枠] 勝率 5.7% 連対率12.7% 複勝率18.4% 複回率 74% 枠番値+0.4
[7枠〜8枠] 勝率 4.3% 連対率10.3% 複勝率16.6% 複回率 63% 枠番値-0.3
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[01番〜09番] 勝率 6.9% 連対率13.6% 複勝率19.9% 複回率 71% 枠番値+0.2
[10番〜18番] 勝率 4.9% 連対率10.0% 複勝率15.5% 複回率 64% 枠番値-0.1
→極端な差はないが内枠である1枠〜2枠は有利。全体的にも内のほうがベター。
・脚質別信頼度
逃げ>先行>>差し>>>追込 基本的に前有利で上のクラスでも先行勢が強い。
・推定ラップ&タイム
[底力] 34.6-48.7-34.8=1.58.1 序盤から一貫して速い総合力勝負の流れ
開幕週らしく、非常に速い時計が出ていた今開催の京都競馬場。台風の影響を受けた月曜日が順延となったことで、馬場もそれほどダメージを受けずに済んでいる。G1・秋華賞が行われる今週も、引き続き軽いスピード馬場での勝負となりそうである。
京都芝2000mは内回りで、スタンド前から発走してぐるりと一周するコース形態。バックストレッチに上り坂はあるが、さらに起伏が大きい外回りの部分を使わないので、平坦に近いオーバルなコースに近いといえる。最後の直線も328mと中央場所としてはかなり短く、コーナーで動ける器用さが必要不可欠。ある程度の先行力も欲しいところだ。
そういったコース形態の影響か、もっとも好成績であるのが1枠〜2枠の「内枠」で、勝率や連対率の高さは頭ひとつ抜きんでている。また、複勝回収率や枠番値からも、このコースが「内>外」であるのは明白で、7枠〜8枠の「外枠」はイマイチ。内枠から先行できるようなタイプであれば、人気薄でも積極的に買う価値アリだ。
脚質についても間違いなく先行有利で、現在のように良好な馬場コンディションであれば、なおさらのこと。序盤から厳しいペースで流れたとしても、秋華賞に出走してくるような一流馬であれば、前はそうそう止まってくれない。内枠からスッと好位のインにつけて、早め先頭から押し切る──といった競馬が理想的といえる。
あとは、かなり堅め決着傾向の強いコースであるのも特徴。少頭数でのレースが多いとはいえ、馬連万馬券の出現率6.8%、馬連平均配当2916円というのは「きわめて」低い数値である。とくに1着馬に関してはその傾向が強く、波乱を狙うならばヒモ荒れ狙いのほうがベター。一昔前は荒れまくっていた秋華賞だが、そのイメージはそろそろスパッと忘れたほうがいい。
【レース基本情報】秋華賞(G1)過去10年
・レース平均配当
単勝589円 馬連4064円 3連複19万9588円
・1番人気馬成績
[2-1-3-4] 勝率20.0% 連対率30.0% 複勝率60.0%
・3番人気以内馬成績
[9-4-4-13] 勝率30.0% 連対率43.3% 複勝率56.7%
・4番人気〜6番人気馬成績
[0-3-3-24] 勝率 0% 連対率10.0% 複勝率20.0%
・7番人気〜9番人気馬成績
[0-3-0-27] 勝率 0% 連対率10.0% 複勝率10.0%
・10番人気以下馬成績
[1-0-3-86] 勝率 1.1% 連対率 1.1% 複勝率 4.4%
・1着馬脚質シェア
[逃げ] 0% [先行] 20.0% [差し] 70.0% [追込] 10.0%
・3着以内馬脚質シェア
[逃げ] 6.7% [先行] 23.3% [差し] 56.7% [追込] 13.3%
・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
[1枠〜3枠] 勝率 5.0% 連対率13.3% 複勝率21.7% 複回率 82% 枠番値+0.5
[4枠〜6枠] 勝率 5.0% 連対率 8.3% 複勝率11.7% 複回率 23% 枠番値-0.2
[7枠〜8枠] 勝率 6.7% 連対率11.7% 複勝率16.7% 複回率174% 枠番値-0.3
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[01番〜09番] 勝率 3.3% 連対率 8.9% 複勝率14.4% 複回率 54% 枠番値±0
[10番〜18番] 勝率 7.8% 連対率13.3% 複勝率18.9% 複回率132% 枠番値±0
・厩舎所属別成績
[美浦] 2-2-5-63 連対率 5.6% 複勝率12.5%
[栗東] 8-8-5-87 連対率14.8% 複勝率19.4%
・前走距離別成績
[〜芝1500] 0-0-0-6 連対率 0% 複勝率 0%
[芝1600m] 0-0-1-4 連対率 0% 複勝率20.0%
[芝1800m] 7-8-4-71 連対率16.7% 複勝率21.1%
[芝2000m] 2-2-3-50 連対率 7.0% 複勝率12.3%
[芝2200m] 0-0-1-1 連対率 0% 複勝率50.0%
[芝2400m] 1-0-0-11 連対率 8.3% 複勝率 8.3%
[ダート戦] 0-0-1-7 連対率 0% 複勝率12.5%
・前走クラス別成績
[中央G1] 1-0-1-13 連対率 6.7% 複勝率13.3%
[中央G2] 8-7-4-60 連対率19.0% 複勝率24.1%
[中央G3] 1-1-3-11 連対率12.5% 複勝率31.3%
[OP特別] 0-0-0-34 連対率 0% 複勝率 0%
[条件戦] 0-1-2-27 連対率 3.3% 複勝率10.0%
[海外戦] 0-1-0-2 連対率33.3% 複勝率33.3%
・注目出走パターン
[特注] 前走ローズSで1番人気だった馬(連対率55.6%、複勝率66.7%)
[複穴] 前走中央重賞で上がり3F順位が6位以下(複勝率12.7%、複回率207%)
[買い] 鞍上が継続騎乗となる前走中央重賞組(連対率22.9%、複勝率31.4%)
[不振] 前走で4角を13番手以下で通過(0-0-1-10)
[不振] 前走で中央重賞以外に2番人気以下で出走(0-1-1-47)
[不振] 前走中央ローズSで5番人気以下かつ4着以下(0-0-1-24)
[不振] 騎手が乗り替わる前走中央重賞「以外」組(0-1-2-35)
1番人気馬の成績が[2-1-3-4]で勝率わずか20.0%ながら、単勝平均配当は589円という低さ。つまり、「1番人気馬」はアテにならないが「上位人気馬」はものすごくアテになる、ということ。3番人気以内馬はトータル[9-4-4-13]と、過去10年の勝ち馬のうち9頭までがここに含まれている。この「人気馬の勝率が高い」という傾向は、コースデータとまったく同じである。
続いて脚質だが、こちらはコースデータよりも格段に差せる様子。勝ち馬の70.0%が差し脚質であり、馬券に絡んだ馬全体を見ても、やはり差し優勢という印象を受ける。これは、秋華賞というレースが序盤から厳しい流れになるのが大きな理由。もしペースが緩むなら、コースデータ通りに前が残ると考えたほうがいい。
続いて枠番だが、内よりも外のほうが勝率、連対率、複勝率、複勝回収率のいずれも高く、有利な印象を受ける。しかし、これは人気馬が外枠に偏って入った影響が大きく、枠番値は「内枠」である1枠〜3枠の数値が飛び抜けて高い。複勝率もトップは内枠であり、実際にはかなり内枠有利ではないかと推測される。
ローテに関しては、もう圧倒的にローズS組が強いという、誰でも知っている通りの結論に。なかでも強いのが「前走ローズSで1番人気」だった馬で、過去10年で馬券に絡めなかったのは、デニムアンドルビー、レジネッタ、アドマイヤキッスと、後方から追い込んだケースのみ。前〜中団で流れに乗れた馬は、すべて3着以内に好走している。
あとは、騎手の乗り替わりが大幅割引となることや、前走「重賞で先行して粘っていた馬」や「牡馬との混合重賞に出走していた馬」が3着によく食い込んでいるのも、押さえておくべき攻略のポイント。アタマは堅いが、2着〜3着のヒモが紛れるケースは今年も十分に考えられるので、このあたりをしっかり精査しておきたい。
【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
引き続きAコース。やはり内&前有利のバイアスにあると思われる。
・天候予測
スカッとした秋晴れが期待できそう。パンパンの良馬場前提でオーケー。
・勝利数トップ種牡馬
ディープインパクト 勝率16.6% 連対率31.7% 複勝率46.2%
・著者の注目血統
ディープインパクト産駒◎
2週連続で台風の襲撃があったが、今週は久々に、素晴らしい天候のなかでレースを満喫できそう。速い時計がバンバン出ていることからもわかるように、差しや追い込みがそう簡単に決まるコンディションではない。外回りですら差せないのだから、内回りの芝2000mだと、なおさら差せなくて当たり前である。
血統面では、ディープインパクト産駒の凶悪なまでの強さが目立っている。ゼンノロブロイ産駒やキングカメハメハ産駒、ハーツクライ産駒、クロフネ産駒なども成績良好なのだが、ディープインパクト産駒の適性の高さは、それとは比較にならないほど。全体で連対率31.7%、複勝率46.2%という数値は、もはや異常事態といっても過言ではない。
★総論×各論
ローズS組が10頭に紫苑S組が5頭、オークスからの直行組が2頭。前走で牡馬混合のレースを使われていたのはキュリオスティーとセウアズールと抽選待ちの2頭だけで、横の比較が非常にしやすい年となった。ハープスターの姿がなく、さらにここまで不確定要素が少ないとなると、大きな波乱となるケースはまず考えられない。
というわけで、トップ評価はごくフツーにヌーヴォレコルト。ローズSでは2番人気に甘んじたが、好位から押し切る横綱相撲で完勝。マイナス体重での出走だったのか気がかりな程度で、脚質的にもこの馬がもっとも信頼できるのは言うまでもない。ただし「頭鉄板」ではないというのがミソで、2着や3着に取りこぼす可能性もありそう。3連複の1頭軸なら迷わずココだが、3連単の1着軸に向くかといえば、ビミョーなところだ。
二番手評価に、ローズSの1番人気馬であるレッドリヴェール。過去10年、前走ローズSの1番人気馬が非常に強いのは前述した通りで、この馬がここでどのような乗り方をするかで、結果は大きく変わってきそうだ。一応は「そこまで脚をタメずに中団で流れに乗る」という前提での二番手評価。後方待機を決め込むような陣営コメントが出てきた場合には、ヒモ〜無印まで評価を落とす所存である。
そして三番手にブランネージュ、四番手にリラヴァティ、五番手にマーブルカテドラル。以下はサングレアル、レーヴデトワール、ショウナンパンドラ、タガノエトワールといった序列だが、大本命から入るというのもあって、このあたりを押さえるかどうかはオッズ次第。例年であればまったく通用していない紫苑S組だが、今年は新潟開催であり、例年より多少は通用する余地アリと見ている。
いずれにせよ、この登録馬の段階で、紛れる要素はほとんどない──というのが、当データ分析からの見立て。穴っぽい馬がここまで見当たらないレースも、ちょっと珍しいほどだ。あとは、1枠〜3枠にどの馬が入るかと、レッドリヴェール陣営のコメント次第。バットを短く持って、シュアなバッティングを心がけたい。
■府中牝馬S(G2・東京芝1800m)フルゲート18頭/登録14頭
1番人気馬が過去10年[1-2-3-4]と取りこぼしまくっている、府中牝馬S。それ以外の人気馬もかなり不振で、3番人気以内馬まで範囲を広げても、その成績は[2-4-7-17]と大不振。もう、上位人気というだけで、かなり疑ってかかったほうがいい。今年は少頭数となりそうだが、それでも人気馬の過信は禁物である。
好走の必要条件は「前走重賞でひとケタ人気」であること。なおかつそこで4着以内であれば、トータル[6-6-5-19]で連対率33.3%、複勝率47.2%と、かなりの高確率で好走が期待できる。それとは対照的に、前走非重賞組はトータル[1-1-3-42]で連対率4.3%、複勝率10.6%と、かなり低調。昨年3着のスイートサルサのように上位に食い込んでくるケースもなくはないが、積極的に買うだけの価値はない。
また、過去10年で馬券に絡んだ30頭のうち、じつに29頭までが「5歳以下」であったというのも、注目すべきポイント。しかも、今年の登録馬でこの条件を満たせないのが、実績最上位であるホエールキャプチャ(6歳)だけなのである。人気馬の一角、しかも6歳馬という理由でスパッと消すのもアリだが、同時に「札幌記念3着からのローテ」という、非常に強い買い材料を持つ馬。その取捨が猛烈に難しい。
迷いに迷った結果、年齢というファクターで大幅割引でも、今回のホエールキャプチャについては「買い」ジャッジ。人気サイドではもう1頭、キャトルフィーユも上位評価組である。そして人気薄では、アイスフォーリス、ウリウリ、オツウ、マコトブリジャールの4頭に注目。この組み合わせで、中穴配当あたりを狙って獲りたい。
※コースデータ&血統データは2009年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。