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ホッカイドウ競馬、開催終了

  • 2014年11月19日(水) 18時00分
門別競馬場ナイター風景

門別競馬場ナイター風景



一度打ち切りがあったが、それ以外は大きな天候不順もなくきわめて順調に推移した今年のホッカイドウ競馬

 去る11月13日(木)、今年度の道営ホッカイドウ競馬が幕を閉じた。前週の6日(木)、交流重賞の「北海道2歳優駿」が行なわれた日は、終日穏やかな天候に恵まれ、日が落ちてからも気温が10度を超えて、ひじょうに過ごしやすい夜であった。

 この分なら、来週も何とかそれほど寒くならずに済むのではないか、と期待されたが、やはりこの時期の北海道の気象は甘くない。11月は、秋から冬へと季節が移り行く端境期で、暖かな日と寒い日とのギャップが大きくなる。13日(木)は、わずか一週間のうちに季節が真冬へと変わってしまったような大荒れの一日になった。

 この日は北海道全体で強い西風が吹き荒れ、気温も前週から大きく下がり、辛うじてプラスになっている程度。ただでさえ寒いのに、それに強烈な西風の影響で体感温度をより低くする。強い風に乗って雪が舞い、一時はまともにコースが見えないほどの降り方になり、そのせいで、午後4時発走の第4レースはついに中止になった。

 それでも開催最終日とあって、この日は普段よりずっと多くのファンが足を運び、スタンドに陣取っていた。あまりの寒さに大半のファンはスタンドの建物内にとどまり、レースの時間になっても、外に出てきて観戦する人は少なかった。吹きさらしのスタンドにいると、すぐに背中がゾクゾクしてくるほどの体感温度である。こればかりはどうしようもない。

 最終レースまで雪が降ったり止んだりを繰り返す中、この最終日には、2つの重賞が行なわれた。すでに報じられている通り、第11Rが「第2回ブロッサムC」(H3、2歳牝馬オープン別定、D1200m、1着賞金250万円)、最終12Rに伝統の「第57回道営記念」(H1、3歳以上オープン別定、D2000m、1着賞金1000万円)である。

ユヅルノオンガエシ

ブロッサムCを制したユヅルノオンガエシ



 ブロッサムCには、副賞に「ゼンノロブロイ賞」が、道営記念には「エンパアイメーカー賞」がそれぞれ贈られる。

 12頭が出走してきたブロッサムCは、4コーナーを回って直線に向かってから馬群を抜け出した5番人気のユヅルノオンガエシが追いこんできたユメノヒトを1馬身2分の1押さえてゴールイン。待望の重賞初制覇となった。これで通算成績は8戦3勝2着4回。田中淳司厩舎所属で、金沢から遠征してきた吉原寛人騎手が騎乗。父オレハマッテルゼ、母ディアン、母の父ブラックタイアフェアーという血統の栗毛で、生産は、浦河・(有)木戸口牧場、馬主は酒井美津子氏。

ブロッサムCの口取り風景

ブロッサムCの口取り風景



 また16頭のフルゲートとなった道営記念は、ニシノファイターが先行し、シルクメビウスが続く展開となったが、4コーナーを回ってからウルトラカイザーが抜け出し、それにコスモスイングとキタノイットウセイが加わる三つ巴の争いとなったが、2分の1馬身差でウルトラカイザーが見事1番人気に応えて優勝した。

道営記念ゴール前

三つ巴の争いとなった道営記念



 鞍上の井上俊彦騎手は今年49歳になるベテランで、何と昭和62年(1987年)以来の道営記念制覇となり、レース後、満面の笑みを浮かべていたのが印象的であった。

引き揚げてくる井上俊彦騎手

満面の笑みで引き揚げてくる井上俊彦騎手



 優勝したウルトラカイザーは、父レギュラーメンバー、母ローレルワルツ、母の父ダイナレターという血統の牡6歳鹿毛。通算成績は21戦16勝。前走の瑞穂賞に続いて重賞2連勝。また、6月以来、井上騎手とのコンビで5連勝となった。林和弘厩舎所属。生産は新冠・つつみ牧場。馬主は中野真吾氏。

 全レースが終了した後は、スタンド内にて、恒例の道営所属騎手たちとの交流会や抽選会などが行なわれ、多くのファンが居残り、目当ての騎手たちとの記念撮影やサインを求める姿があちこちで見られた。

道営記念の口取り風景

道営記念の口取り風景



 なお、これで道営ホッカイドウ競馬は今年度の全日程を終えたことになる。最終的に、重勝式馬券(トリプル馬単)を含め、80日間で計画を12%上回る157億670万円を売り上げた。内訳は道内発売分が25億8610円(計画比98.9%)、他主催者委託分が23億756万円(同102.8%)、ネット及び電話投票分が108億1304万円(同118%)ということになる。道内で伸び悩んだ分を、他主催者とネットでカバーした形である。とりわけ、ネット・電話発売分は、昨年も89億4687万円を売り上げ、計画比120.9%の数字を残したが、今年はそこからさらに大きく売り上げを膨らませた。時代の趨勢とはいえ、改めて、大きくホッカイドウ競馬を取り巻く発売環境が変化してきていることを実感させられる。

ホッカイドウ競馬所属騎手勢揃い

ホッカイドウ競馬所属騎手勢揃い



 これから北海道はシーズンオフに入り、道内のAibaでは他地区地方競馬の発売(平日)を、そして土日はJRAの馬券を発売することになる。最終的にどれくらいの「黒字」を計上するかは来年6月頃まで待たなければならないが、好調だった今年度の実績から、来年度は思い切った賞金、手当の増額に期待がかかる。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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