差し・追い込み馬台頭の可能性
多くのG1勝ち馬を中心に、多彩なメンバーの揃った好カードになった。この左回りのダート1800mが頂点の選手権距離かどうかは難しい一面もあるが、ダート主体の北米ではダート9ハロンのビッグレースが多いから、多くのダートホースにとって過不足のない距離は間違いない。
事実上の第1回。この距離で勝っていないのは、3頭だけ。たたし、左回りダート1800mは、JRAでは新潟と中京にしか番組がないから、このコースの1800mで勝ち星があるのは、
ローマンレジェンド、
インカンテーションなど、たった5頭に限られる点が、小さな不確定要素であるようでいて、今後のチャンピオンズCでは、意外に大きなポイントになるかもしれない。アメリカの
インペラティヴも、左回りのダート1800mだからこそ挑戦してきたのは間違いない。
オープン、1600万の中京ダート1800mはこれまで、東海S、ジュライSなど、年間に3レース前後しか行なわれていない。ここ2年では6レースだけで、その平均勝ち時計は「1分50秒3」だった。G1がふつうの平均ペースで流れると、良馬場でも1分49秒台前半なら十分すぎるほど可能だろう。推測だと、もっとタイムの速い決着となって不思議はなく、ひょっとすると2月のフェブラリーSときわめて似た勢力図が描かれるかもしれない。
距離2000mのJBCクラシック(盛岡の重馬場)を、2分00秒8のコースレコードで快勝している
コパノリッキーに条件ピタリなのが、初コースではあっても、中京ダート1800mのチャンピオンズCかもしれない。
ただ、さまざまなダートチャンピオンの揃ったG1とあって、予測される以上に厳しいペースの1800mになる可能性もある。ここまで低条件を中心に出来上がっている中京ダート1800mのイメージと一般的な傾向は「先行脚質のスピードタイプかなり有利」ではあるが、ちょっと流れが厳しくなると、東京よりは小回りに近いから、逆に、差し・追い込み馬台頭のケースが生じやすいG1に転じる可能性も否定できない。
ダート界のチャンピオンの世代交代も、芝と同じようなサイクルになりつつある。かつてと異なり、芝に限界を感じたからダート路線に転向ではなく、コパノリッキー、
クリソライト、
ベストウォーリアなどの4歳馬や、5歳
ホッコータルマエは、最初からダート戦専門のダートホース。こういうダートのエースが以前より増えているからである。
最初のチャンピオンズC。あまり単調なレースではなく、難しい1800mとして出発することを期待して、差し脚を身につけつつある4歳インカンテーションを狙いたい。左回りのダート1800m【5-0-1-0】。大野騎手との左回りダート1800mは「1着、1着、1着、1着」でもある。ダート1800mでも自身の上がり35秒台が2回あり、予測される時計の速い決着でも差してこれる1800m巧者だろう。
強敵は、もちろんコパノリッキーと、復調示すホッコータルマエ。以下、有力馬は人気と同じだが、距離不安は少ないとみて、ベストウォーリアはぜひ相手に加えたい。