▲今回が引退レースとなるジャスタウェイ(写真は2014年ドバイDF優勝時 撮影:高橋 正和)
2014年の総決算、有馬記念。今年もこのレースを最後に引退する名馬がいる。3月にドバイDFを圧勝、ワールドベストホースランキング1位となったジャスタウェイ。牝馬三冠をはじめジャパンC2連覇など牡馬と混じり活躍したジェンティルドンナ。初のマイルの舞台で武豊騎手のGI100勝目に華を添えたトーセンラー。クラシックではジェンティルドンナの2着に泣きながらもヴィクトリアMを連覇したヴィルシーナ。彼らが築き上げた一時代が、幕を閉じようとしている。その勇姿をこの目に焼き付けるため、ラストランにかける陣営の思いを直撃した。(取材・文・写真:大恵陽子)
ベストでない条件でも状態面はすごくいい
ワールドベストホースランキング1位のジャスタウェイが、有馬記念でラストランを迎える。
3歳時にアーリントンCを勝ち、重賞ウィナーの仲間入りを果たしたが、僚馬にはゴールドシップというスターがいた。確かな実力を持ちながらも、スターの影に隠れがちだったジャスタウェイは、2013年の天皇賞・秋でその力をいかんなく見せつけた。
前年の年度代表馬ジェンティルドンナを相手に4馬身差の圧勝劇。父ハーツクライから受け継いだ成長力も後押しし、スター街道を一気に駆け上がった。この勝利は、大和屋暁オーナーにとっても、初めて所有した愛馬での初GI制覇という非常に思い入れの深いものとなった。
そうして挑んだ今春のドバイDF。6.1/4馬身差、レコードでの圧勝劇には、国内のみならず世界からも評価され、日本調教馬では初となるワールドベストホースランキング単独1位を獲得した。「海外GIも勝てたのは、応援してくださったファンのみなさんのおかげだと思っています」と須貝尚介調教師は感謝を口にする。
世界一の馬のラストランが刻一刻と近づいてきた。凱旋門賞からの帰国初戦となった前走ジャパンCを振り返り、福永祐一騎手は