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京成杯、データ的にはピックアップできないが気になる馬

  • 2015年01月16日(金) 18時00分


◆「マイネル」「コスモ」ならナインボール

 ホープフルSと同コースということもありどこか代わり映えがしない京成杯だが、今回は他のレースからの合流組も上位人気になりそうなので、選ぶ楽しみはある。

 ちなみにオープン特別時代のホープフル→京成杯という馬はあまりおいしい選択肢ではなく、グループとしての回収率は低かった。また。同組の馬が馬券に絡む際はそのグループの中での人気最上位馬ばかりが絡んでおり、唯一2頭絡んだ年も人気順の通りだった。

 この傾向がホープフルSのGII化によってどう変わるかだが、それ以前に今年はブラックバゴソールインパクトのどちらが上位人気になるかという問題がある。先着したのはブラックバゴだが、ディープインパクト産駒のブランド力もあってソールインパクトが上だろうか。

 ただ、踏むコースがあったわりにじりじりとしか伸びなかったソールインパクトの内容には若干物足りないところもある。内々を回ったとはいえ、道中後方から押し上げて狭いところを突いたブラックバゴのほうを個人的には支持したい。

 そのホープフルS組にはマイネルシュバリエもいるが、京成杯が多頭数のときは差し決着が多いので、逃げ粘りは難しそう。「マイネル」「コスモ」は京成杯に強いイメージがあるが、今年についてはコスモナインボールが距離をこなす形を期待するほうがよいと思う。

 他の組ではベルーフが人気になりそうだが、まともに折り合ったことのない馬が大外枠というのはちょっと厄介。引っ掛かるというよりは走りに集中しないというタイプだが、常に外、外を回るとロスは大きくなる。また500万条件組は、前走である程度位置を取ったうえで上がり上位をマークしてくるようなタイプが過去には多く好走しており、位置を取らないこの馬はそれとはちょっとイメージが違う。

 そのベルーフの2着だったクルーガーは、昨年の馬場なら面白いところがあったが、中山の馬場が軽くなってしまった現在は少々不利。土曜はまだ週中の雨が影響するかもしれないが、日曜はだいぶ回復しているだろう。

 500万条件組ではタケルラムセスも扱いが難しい。寒竹賞は早めにペースが落ちた後、マイネルポルトゥスがレースを動かしに行って7〜8ハロン目が速くなった。そこで積極的に脚を使った馬が損をして、後方待機のタケルラムセスは得をした感がある。今回はおそらく例年のパターンだと5ハロン目が遅くなり、そのあとはじわじわ速くなるので前走とは条件が違う。

 むしろ、序盤に引っ掛かったうえにラップの速いところで無理をしたブライトバローズが気になる。データ的にはピックアップしようがない馬だが、△は付けたい。

 忘れてはいけないのがクラージュシチー。地力は足りるだろうが、速い上がりを使う競馬にはならないだろうし、2戦目のように捲る競馬にもならないはず。普通の差し競馬で、かつ馬群を捌くことができるかどうかだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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