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けっこう堅い京成杯

  • 2015年01月13日(火) 12時00分


京成杯の過去10年で全馬均等買い時の単複回収率は単勝37%・複勝69%

 最近の京成杯は堅い。この話は各所で書いてきた話でもあるのだが、注意喚起(?)として改めて書いておこうと思う。

 レースの堅さを示す指標として私がよく用いるのが、全馬均等買い時の単複回収率だ。誰にとっても分かりやすいし、特に複回収率は1頭で跳ね上げるのが難しいので参考になる。

 これでいくと、京成杯の過去10年は単勝37%・複勝69%。標準的な数値が80%弱ということを考えると堅めだし、特に単穴が出ていないことがお分かりいただけるだろう。

 ただ、実は京成杯が突出しているわけではなく、世代限定重賞(2歳重賞・3歳重賞)というものは堅くなりがちなものでもある。

 過去10年ほぼ同じ施行条件で行われてきた重賞に限っても、京成杯より複回収率が低いレースはデイリー杯2歳S(47%)、神戸新聞杯(50%)を筆頭に18レースあるし、単勝でさえ毎日杯(27%)、クイーンC(31%)など5レースある。

 世代限定重賞トータルの2005〜2014年で見ると、単勝64%・複勝75%。のべ400レース以上を消化してこの数字というのは、やはりグループとして堅めである。比較対象として古馬の平地重賞を見ると、単勝82%・複勝77%。複勝の差は僅かだが、単勝の開きは大きい。

 もちろん世代限定重賞の中にも荒れやすいレースはあるし、今年もシンザン記念、フェアリーSは荒れてきた。ただ、その勢いに乗りすぎないほうがよいかもしれない、というのが京成杯だ。

 堅い堅いと強調するもうひとつの理由は1番人気成績で、過去10年の回収率が単103%・複107%。過去10年の1番人気が単複とも100%を超える世代重賞はスプリングS、東スポ杯など8レースのみ。そのうちのひとつに位置する。

 だからといって今年の1番人気馬が必ず馬券に絡むという保障はもちろん無いが、レースのタイプとして、バットは短めに持って振ったほうが良いレースであることは間違いないと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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