■アメリカJCC(G2・中山芝2200m)フルゲート17頭/登録23頭
【コース総論】中山芝2200m Cコース使用
・コースの要所!
★中山芝ながら内外の差はそれほどナシ。枠番より能力や適性重視。
★4〜6番人気の中穴が猛烈に強いコース。7番人気以下とは雲泥の差!
★先行有利も最速上がり馬の勝率が非常に高い。1着固定なら差し馬か。
ホームストレッチの右端からスタートして、4つのコーナーを回る中山芝2200m。最初のコーナー進入まで距離があるせいか、クセの強い中山芝コースにしては、枠番の内外での成績差があまりない結果となっている。馬場のバイアスは考慮する必要アリだが、内外を気にせずに済むだけでも、中山芝ではかなり「買いやすい」部類のコースといえる。
人気馬の成績も悪くはないが、いちばん目立っているのは4番人気〜6番人気馬の強さ。トータル[23-27-29-149]で連対率21.9%、複勝率34.6%と上位人気と互角に張り合っており、回収率も単125%、複109%と申し分なし。上位人気馬を過信することなく、オッズの盲点となりそうなこのゾーンを、積極的に狙っていくべきだ。
脚質については先行有利だが、差しも相応に決まるのがこのコース。最速上がりの馬は勝率・回収率ともに文句ナシの高さで、単勝や1着軸で買うなら、差し脚質の馬を狙ったほうが良さそうである。逆に3連複の軸には、前々で流れに乗って、ゴールまでしぶとく粘れるタイプを狙ったほうがベター。もっとも、このあたりはペース読みにもよるか。
【レース総論】アメリカJCC(G2) 過去10年
・レースの要所!
★7番人気以下馬[0-3-1-61]と人気薄は大苦戦。平均配当もかなり安め。
★一応は5歳以下馬優勢だが高齢は割り引く材料にならず。軽視は禁物!
★枠番はコースデータ同様の傾向。中山ながらあまり気にする必要なし。
★前走G1組や斤量58キロ馬などが非常に強い、「格」を問われるレース!
・注目出走パターン
[絶好] 斤量58キロ馬(連対率71.4%、複勝率85.7%)
[買い] 前走5番人気以内だった斤量56キロ馬(連対率38.5%、複勝率53.8%)
[買い] 前走ひとケタ着順の5歳以下馬(複勝率40.0%)
[不振] 前走6着以下だった斤量57キロ馬(1-2-1-36)
[不振] 斤量57キロの関西馬(1-1-1-21)
[不振] 前走で重賞以外に出走して2着以下(0-0-2-26)
上位人気が非常に強いレースで、6番人気以内馬はトータル[10-7-9-34]と絶好調。対照的に7番人気以下は[0-3-1-61]と不振で、ふたケタ人気で馬券に絡んだのは、過去10年で昨年2着のサクラアルディート1頭しかいない。ブンブン振り回して高配当を狙うよりも、上位人気から流すシュアな馬券のほうが、ここは効率がいいといえる。
ただし、1番人気の信頼度は[3-0-0-7]とイマイチ。中穴が強いというコース傾向も加味すると、1番人気を絶対視するよりも、何か強調材料を持つ2番人気〜6番人気馬から入ったほうが、好結果を呼び込めそうだ。また、コースデータよりも先行有利の傾向が見受けられるのも、押さえておきたいポイントである。
枠番別では、1枠〜2枠の成績が悪いのが気がかり。だからといって外枠がいいかといえばそんなこともなく、ここは「センター枠」がもっとも信頼できる。あとは、斤量58キロを背負う実績馬が猛烈に強いことや、前走G1組が他を圧倒する強さを見せているのも、このレースの大きな特徴。勢いよりも「格」が重要な一戦であるのは、間違いない。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
Cコース継続。バイアスは思いっきり差し馬場で、先行勢は厳しい状況。
・天候予測
水曜日〜木曜日が雨だが週末は晴れ〜曇り予報。日曜日には回復しそうだ。
・注目血統
ネオユニヴァース産駒◎、ステイゴールド産駒○、ディープインパクト産駒▲
12月から続く中山開催の終盤でもあり、現在の馬場は完全に「差し」優勢。先週末も差しや追い込みがズバズバ決まっており、先行勢が粘るのはかなり厳しい状況となってきた。おそらく今週末も、荒れ馬場を苦にしないパワーと、いい脚を長く使えるようなタイプに向く馬場状態になると考えられる。
そう考えると、ネオユニヴァース産駒が好成績を残しているのは納得できる話。軽さがウリのディープインパクト産駒よりも、パワーで勝るステイゴールド産駒のほうが魅力的だといえる。母系にも、少し重めの血が入っているほうが好印象で、ジャングルポケット×サンデーのエアソミュールより、ゴールドシップや母父アレミロードのフェイムゲームのほうが向きそうなイメージだ。
★出走登録馬・総論×各論 有馬記念で1番人気を背負ったゴールドシップが、今年はここから始動。きわめてレアな出走パターンなのでちょっと調べてみたのだが、これはなんと、1987年のミホシンザン以来である。また「前走G1で1番人気」という条件でも、1999年のスペシャルウィーク以来となるレアケース。ちなみにミホシンザンとスペシャルウィークは、ここでも1番人気に推されて快勝している。さて、今年のゴールドシップはどうか!?
……という前フリで始めたはいいが、斤量58キロ馬が出走してくる時点で勝ち負けというのが実際の話で、過去10年で飛んだのは2010年のキャプテントゥーレ(11着)だけ。ゴールドシップの戦績や中山実績から考えても、4着以下に敗れるシーンは考えづらい。外差しの決まる現在の馬場状態では、なおさらだ。
というわけで「前走G1組&58キロ&ステイゴールド産駒」の
ゴールドシップは、素直に信頼。ミホシンザン、スペシャルウィークに続く快勝を、ここは期待したいところだ。そして二番手評価は、4番人気〜6番人気あたりになる可能性もありそうな
クリールカイザー。信頼度の高い「前走5番人気以内の斤量56キロ馬」であり、近走内容や中山実績も文句ナシ。差しに回ってもいいタイプであるのも、ここでは大きな強みとなる。
三番手に、そのクリールカイザーをアルゼンチン共和国杯で下している
フェイムゲーム。現在の馬場に向きそうな血統構成や、数少ない5歳以下馬であることなどがプラス評価の対象で、大きく割り引くような部分はナシ。アルゼンチン共和国杯の内容が非常に強かったのは周知の通りで、ここも引き続き好走が期待できそうである。
以上の3頭が上位評価組で、以下はショウナンラグーン、マイネルフロスト、ディサイファ、オーシャンブルー、スーパームーン、フラガラッハという評価順。上位評価組のラインナップを見てのとおり、ここは順当決着というのが現時点での判断だ。馬券も少ない点数で、ひねらず素直に勝負したいところ。「ゴールドシップかクリールカイザーから4番人気〜6番人気に流す」というテキトー馬券でも、意外に悪くない結果になりそうな気がする。
■京都牝馬S(G3・京都芝1600m外)フルゲート18頭/登録26頭
このレースで何よりも重視すべきなのが「牡馬との混合戦」で戦ってきた馬かどうかである。単純に前走だけで比較すると、牝馬限定戦組が[6-5-2-53]で複勝率19.7%に対して、混合戦出走組が[4-6-7-68]で複勝率20.0%と互角なのだが、牝馬限定戦からのローテで好走しているのは前走好走馬ばかり。巻き返すのはかなり厳しいと考えるべきだ。
あとは、距離延長組も[0-1-5-27]とイマイチな成績で、前走でもマイル以上の距離で出走していた馬を上位に評価すべき。以上のような観点から、今年はキャトルフィーユ、ケイアイエレガント、ダンスアミーガ、パワースポット、ベルルミエール、マコトブリジャール、メイショウスザンナの7頭のうち「1枠〜4枠に入った馬」を重視するスタンスをオススメしておきたい。
■東海S(G2・中京ダ1800m)フルゲート16頭/登録16頭
現在の条件となって、今年で3年目を迎える東海S。フェブラリーSのトライアルでもあり、コパノリッキー、ナムラビクター、インカンテーション、ニホンピロアワーズなど、なかなかの好メンバーである。データ的にコレと断言しづらい部分はあるが、いくつかアテになりそうなモノもあるので紹介しておこう。
とりあえず、前走東京大賞典組は「買い」がセオリー。これまで3頭が出走して1着、2着、5着と好成績で、このパターンは今後も信頼に足りそうだ。ただし、前走で東京大賞典以外の交流戦に出走していた馬は「消し」が妥当。つまり、コパノリッキーは買い、ニホンピロアワーズは消しというジャッジとなる。
前走で中央のレースに出走していた馬については、そこで速い上がりを使えているのが必要条件。前走上がり順位が6位以下の馬は、かなり割り引いて考えるべきだ。また、中京コースらしく、外枠が好成績であるのも意識しておきたいポイント。以上のようなファクターから、コパノリッキー、ナムラビクターの2頭を上位に、イッシンドウタイ、グランドシチー、グランプリブラッド、マイネルクロップ、ランウェイワルツの5頭を押さえ評価としておこう。
■総論×各論・先週の馬券回顧
1着 04アドマイヤデウス
2着 05フーラブライド
3着 06アドマイヤフライト
ハイ、見事なタテ目! トップ評価のトウシンモンステラは、大外枠を引いた時点で大幅割引。で、タマモベストプレイとサトノノブレスから内枠へと流したワケですが……これが大失敗。もっと内枠にこだわれば獲れたよなあ(歯ぎしり)。
※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。