『東京新聞杯』はレベルは高いのか低いのか?
現在東京競馬場で行われている重賞のマイル戦は全部で8種ある。
GIはすべて春シーズンに行われる『NHKマイルC』『ヴィクトリアマイル』『安田記念』。GIIはなし。GIIIではこの『東京新聞杯』と『デイリー杯クイーンC』『富士S』『アルテミスS』。そして重賞区分で『いちょうS』だ。
使用コースで若干のタイム差は生じるかもしれないが、『東京新聞杯』は近年良馬場開催に限れば走破タイムはほぼ1分32秒台。上りに関しても33秒台は必須。GIを含め、単純に走破タイムを比較してみてもこのなかでも同レースは決してレベルの低くない一戦であることがわかる。
それなのに、出走するのはマイルのセカンドグループで、しかも人気薄がかなり好走しているという印象もある。まだ寒い時期なので、まだマイルの一流所が本格始動していないこともあるのかもしれないが、それ以上に意外な馬が激走するというレースでもあるのには間違いない。とはいえ、ここをステップにしてマイル路線の一流馬になっていく馬も少ない。なんとなく中途半端なレースなのだ。
過去5年の『東京新聞杯』1〜3着馬たちが、同年の後のマイル戦のGIに出てきたときにどんな成績を残していたかというと、やはり以下のようなそれなりの結果となって表れている。
■近5年の『東京新聞杯』1〜3着のその後の同年GI成績
○同年の安田記念【0-0-2-7】
○同年のマイルCS【1-1-0-6】
○同年のその他のGI【0-0-1-4】
ちなみにマイルCSで1着したのは2010年のエーシンフォワード(同年東京新聞杯では6番人気3着)、2着だったのは2013年のダイワマッジョーレ(同年東京新聞杯では5番人気2着)。
やはり『東京新聞杯』で好タイムで馬券圏内に好走した馬でも、後のGIになると若干足りなくなるのは間違いないようだ。まあGIII戦なんだからこんなものじゃないですか、ということもできるだろうが