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中山記念、穴馬として魅力を感じる3頭

  • 2015年02月27日(金) 18時00分


◆評価の難しいヌーヴォレコルト

 イスラボニータの今季初戦として注目される中山記念。ただ、コースそのものの傾向以上に内枠有利・外枠不利の結果が出ている中山記念で、8枠10番を引いた。8枠といっても総頭数が多くはないので大丈夫と考えることもできるが、気がかりといえば気がかりでもある。実力は断然の馬だけに、斤量以外のほどよいハンデが課せられたというところだろうか。

 そのイスラボニータは得意の中山で、しかも距離短縮はおそらくプラス。10番枠からだが、可能であれば強気に前付けしたほうが1着を取れるチャンスは高まると思う。皐月賞のときは中団から早めに押し上げたが、1800mだと早めのワンペースになった場合その戦法は危険。このメンバー構成なら、変にもったいつけた位置取りをする必要はない。

 相対的に良い枠を引いたのがヌーヴォレコルト。初の対牡馬重賞だけに評価が難しい。また、前半控えると内枠が仇となる可能性もある。イスラボニータに対し実質1キロのアローワンスがある点は有利だが、オッズを見ないと逆転の買い目まで意識できるかは判断しかねる。

 GI馬ということではロゴタイプも忘れてはならない。昨年の中山記念は3着だったが、当時は時計のかかる馬場を苦手とするタイプが総崩れするような特殊な馬場で、稍重にしてはかなりヘビーだった。サドラーズウェルズ系ではあるが重巧者というわけではないし、むしろレコードを二度マークしている馬。今年の馬場のほうが戦いやすいだろう。GI馬の中では気楽な立場だけに、強気に前付けしてワンペースの競馬に持ち込みたい。

 ある程度人気になるだろうが、外枠を引いてやや魅力が薄れたと個人的に思っているのがステファノス。白百合Sにしても富士Sにしても差し・差し決着で展開は向いていた。流れが向くと強いが自分で競馬を作れないタイプでもある。脚質的にも、馬券に組み入れるなら3連単3着付けを一番意識したいところだ。

 穴馬として魅力を感じるのは3頭。まずは内枠を引いたゼンノルジェロ。中山記念は高齢馬でもよく馬券になるし、内枠+距離短縮でここは好位に行ける可能性がある。あくまで複穴候補だが配当はかなりつくはず。2頭目はマイネルフロスト。中山記念はなぜか前走重賞1〜3着馬がさして奮わず、4〜5着くらいの「ほどよい負け組」が好走する傾向にある。今回前走オープン4〜5着に該当するのはこの馬だけだ。最後は、日曜雨が降ることを前提にナカヤマナイト。近走はさっぱりだが、道悪ならそれを得意とする馬がいないだけにチャンスはある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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