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ブチコは塩対応されたと思えれば買える。コメートは嘉藤騎手のコメーントを信じれば買える。

  • 2015年03月05日(木) 12時00分


今週のチューリップ賞のブチコの走りに期待している関係者はいっぱいいるのではないか?

悲しい出来事や情けない出来事が立てつづけに起こり、気分はけっして晴れやかではない競馬界にとって、今一番欲しいのは明るい話題だろうからだ。

最高で1着、最低でも3着に入って、桜花賞の権利を勝ちとってほしいと願っているのではないか。
実際、スポーツ紙等でもブチコは大きく扱われている。悲しい出来事などがなくても、話題はさらっていたかもしれないけれど、自分には願いがより強く込められているような気がしてならない。

ブチコ 鞍上・武豊

このコンビ結成は、ちょっと前から決まっていたから、先週の出来事を受けての乗り替りではない。でも結果的に武豊鞍上で、世間へのアピールは自然に増すわけで、仮に勝ち負けでもするようなら、話題はいっそう増しそうだ。

ブチコが持ってる馬か、武豊が持ってる騎手か、金子オーナーが持ってる馬主か…。
みんな持ってるような気がするけれど、「持ってるもの」がチューリップ賞でスパークするとは限らない。

ただ今回ばかりはここでスパークさせたいはず。
全員が持ってるものをスパークさせたら1着、二人もしくは一人+一頭で2着、一人もしくは一頭で3着と仮定してみるのはどうだろう。

おっと、ネーミング+ビジュアル系のアイドルホース(候補)はただでさえ、人気先行になりがちで、自分とは無縁のはずなのにちょっとエールを送っている気がするぞ。
そもそも自分のような変態くそ爺に応援されたいアイドルなんて、この世の中にはいない。無理に接近遭遇を試みても、きっと塩対応されるに決まっている。むふ。
でも女子に冷たくあしらわれることには慣れている身としては、あれはあれで意外に気持ちいいし、癖にもなる。ヌフ。だいいち塩にもいろいろある。ミネラルを豊富に含んだ塩なら栄養もあって……ってなに言ってんだ!バカ! ミネラルを豊富に含んだ塩対応なんて……いやあるね。48の××や46の××の塩対応にはミネラルがある! あるに決まっている!

では、ブチコにミネラルはあるのか?
それは正直、まだわからない。
けれど、ブチコを買うなら、ここしかないんじゃないか?
少なくともチューリップ賞ではミネラル走が見られる可能性を感じる。

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今年のチューリップ賞1人気馬は例年より危うそうだぞ。
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阪神JFを1着した馬の桜花賞前のスーパーステップレースとして、定着しているチューリップ賞だけど、今年は阪神JF1着のショウナンアデラが出走しない。
これだけで、チューリップ賞1人気馬の危うい度は増す気がしている。

以下は、チューリップ賞1人気馬の成績(阪神改修07年以後)

07年
1人気ウオッカ 1着 阪神JF1着

08年
1人気トールポピー 2着 阪神JF1着

09年
1人気ブエナビスタ 1着 阪神JF1着

10年
1人気アパパネ 2着 阪神JF1着

11年
1人気レーヴディソール 1着 阪神JF1着

12年
1人気ジョワドヴィーヴル 3着 阪神JF1着

13年
1人気レッドオーヴァル 7着 阪神JF未出走

14年
1人気ハープスター 1着 阪神JF2着

1人気成績 4-2-1-1

阪神JFを1着ないし、1着に同等の成績だった馬(ハープスターのこと)が出走すると圧倒的に1人気に支持されやすいことがわかる。支持されなかったのは13年のローブディサージュのみ。2人気で9着だった。つまり1人気に支持されれば強いことがわかる。
ジョワドヴィーヴルは3着に敗れたけれど、馬体重430未満の馬の1人気は信用しにくい。阪神改修前の05年の1人気ディアデラノビア(420キロ)も7着に負けた。牝馬戦線は、桜花賞・オークス・秋華賞と進むにつれて、430未満の馬は苦戦していくけれど、その兆しがチューリップ賞(1人気)からすでに見えはじめているのかもしれない。

着外は阪神JF未出走のレッドオーヴァル。1人気で7着に負けて、桜花賞では巻き返して2着した。ちなみにチューリップ賞では426キロだったけれど、桜花賞では430キロだった。

今年はショウナンアデラがいない。これだけで、今年のチューリップ賞の1人気馬は取りこぼす可能性があるように思えてならない。
レッドオーヴァルの着外1回だけじゃ、危ないと決めつけるには早急と言われるかもしれない。たしかにそうだ。自分は、チューリップ賞の1人気はそれだけ重いと踏んでいるから、1回の着外だけでも十分嫌えると思うけれど、別の角度でも見る必要はある。

今年からチューリップ賞のフルゲートは18頭になった。
登録は18頭だから、1,2頭回避馬が出たとしても、16頭以上で成立しそうだ。

1人気成績4-2-1-1を、出走頭数別で分けるとこうなる。

14頭立て以下 3-0-1-0
15頭立て以上 1-2-0-1

取りこぼし率は若干上がる。
カタイ傾向のあったレースが16頭立て以上になると荒れることはよくある。今年の日経新春杯やAJCCがいい例だ。

15頭立て以上で、取りこぼし率が少し上がるのならば、17〜18頭立てなら取りこぼし率はもう少し上がると考えていい。

■阪神JF1着馬が出走しない。
■16〜18頭立てになりそう。

2つの理由で、今年の1人気馬は例年以上に取りこぼす可能性が高いとは想定できる。

ちなみに週の真ん中の予想人気は、

1人気候補
レッツゴードンキ 2.8
コンテッサトゥーレ 3.6
クルミナル    4.0

コンテッサトゥーレはルメールから北村友騎手になりそうだから、1人気にはならないのではないか?
だとすると1人気になりそうなのは、レッツゴードンキで間違いなさそう。

レッツゴードンキ
新馬     3人気1着 上がり1位
札幌2歳   7人気3着 上がり3位
アルテミスS 1人気2着 上がり2位
阪神JF   2人気2着 上がり2位

1人気で1着した経験なし。1人気で期待に応え切る馬とも思いにくい。
でも馬券圏内では安定している。
常に上がり3位以内の競馬をしているから、安定はしているけれど、新馬以外で上がり1位を記録したことはない。
だから、勝ち切れないのかもしれない。だとしたら、ここでも取りこぼしがあっても不思議ではない。

1人気の取りこぼし指数がそれなりに高いのならば、展開次第で結末が変わる可能性もある。
ならばブチコでもなんとかなるような気がしないでもない。

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レースそのものの折り合い指数も高そうだぞ。
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今年のメンバーを見て、すぐに思い浮かぶのは、逃げそうな馬が見つけにくいこと。
過去(といってもみんな数戦だけど)逃げて連対したことのある馬は数頭いるけれど、そういう馬も折り合わせて、直線で伸ばす競馬を何度も試みていて、頑に逃げにこだわる馬はいない。

トライアル系のレースでは権利取りを狙って、突如逃げの手を打つ陣営がいるけれど、そればっかりは読みようがない。奇襲戦法をわざわざ公言する陣営もいないからだ。でも今回は奇襲を仕掛ける馬はいないと見ている。

上位人気が予想される馬たちは、みな折り合わせる競馬をしたり、させたりしている馬が多く、いつもより前につける、後ろにつけるといった位置取りの調整はあっても折り合い競馬を否定しそうな馬は見当たらないからだ。ココロノアイに暴走モードが搭載されている可能性はあるけれど、それは横山典がうまく封じこめるはずだ。だいいち、ここで暴走させる意味もない。

つまり、逃げようと思えば、どの馬でも逃げやすいレースではあるけれど、一か八かの勝負で逃げる馬もいないように思える。
だからブチコさえ逃げようと思ってくれれば、逃げられると思うわけだ。

ブチコ
新馬  芝16 4-3-3 5着(0.6差)
未勝利 芝16 3-1-1 2着(クビ差)
未勝利 芝16 4-4-5 4着(0.5差)
未勝利 ダ18 3-2-2 1着(1.3差)
500万下 ダ18 3-3-2 1着(0.6差)

芝よりダートのほうが向いているのはたしかだろう。
だけど、一部で言われるように芝が完全にダメとも思えない。
クビ差に走ったときは、3角先頭の競馬をしたときだった。負けるときも、4角回ったときの位置と着順にあまり差がなく、惨敗もない。
こういうタイプは前を捕える競馬より、逃げて粘り抜く競馬が向いている可能性もある。

とはいえ、いくつかの幸運、もしくはミネラルも必要だろう。
内枠より中〜外枠がよさそう。
馬場はパンパンの良馬場より、時計のかかる馬場のほうがよさそう。
人気の馬に何頭か出負けしてもらえるとさらに助かりそう。

ちょっと条件が多いけれど、もし、馬か騎手かオーナーが持っているならば、条件も引き寄せてくるのではないか。
金曜日〜土曜日にかけて、雨予報も出ている。すでに天を引き寄せているとも言えなくもない。
4年前ショウリュウムーンが勝った年は重馬場だった。1:36:1だった。1分36秒台の決着ならば、十分太刀打ちできそうにも思える。だとすると、雨が馬場にミネラルを含ませるかもしれない。

サクラミモザはダート2戦2勝で出走し、初芝のここで、逃げて2着に粘った。7人気だった。

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チューリップ賞注目馬
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ブチコ
予想では6人気。
アイドルホース(候補)としては、手ごろだ。きっと単勝100円のメモリアル馬券が多いはずだから、他の券種ではもうちょっと人気薄のはず。
枠だの、馬場だの、自身の好スタートだの、上位人気馬の出負けだのいくつかの幸運が重なれば、まだわからない。
だから、枠や馬場(天気)にミネラルが含まれていそうと感じたら、買ってみたい。あとはレースでミネラルが足されることを願うだけ。
ダメだったら「塩対応されちゃった…うひ」。それでいい。

な〜〜んて、ない知恵を絞って、書いていたら、亀谷くんがブチコを応援したいなら、バケツを持って競馬場に突撃しようと書いていた。なるほど!うまい! ならば自分は呪文でも唱えて、週末に備えてやる。

ベントラー・ベントラー・ベントラー〜〜〜〜

クルミナル…4頭登録しているディープインパクト産で一番大きいから。

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弥生賞注目馬
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こちらもチューリップ賞同様に例年より取りこぼし指数が高そう。

弥生賞の1人気の取捨は1人気馬の支持率がヒントになる。
(去年も書いたことなので、去年のデータに去年の結果を足して、過去11年で掲載)

04年 フォーカルポイント 2.3倍 5着
05年 ディープインパクト 1.2倍 1着
06年 アドマイヤムーン  1.6倍 1着
07年 アドマイヤオーラ  1.7倍 1着
08年 ブラックシェル   3.8倍 2着
09年 ロジユニヴァース  1.3倍 1着
10年 ヴィクトワールピサ 1.7倍 1着
11年 サダムパテック   2.7倍 1着
12年 アダムスピーク   2.9倍 8着
13年 エピファネイア   2.3倍 4着
14年 トゥザワールド   1.6倍 1着

単勝が1倍台だと6-0-0-0で全勝。
2倍台だと1-1-0-3と不安定になる。

今年の1人気は予想では、
シャイニングレイ 予想2.2倍

ここはまだぜんぜん読めない。去年のトゥザワールドは週の真ん中では予想1.9倍だったけれど、レースでは1.6倍に支持された。
だからシャイニングレイの取扱は当日の単勝オッズで判断すればいい。

ちなみに中山芝2000の1人気の成績をオッズで分けるとこうなる。
(これも去年ここで取り上げたデータ。そのまま使っているので、参考程度でどうぞ)

1.0倍台 勝率62.6%
2.0倍台 勝率27.6%
3.0倍台 勝率25.5%

というわけで、改めて、弥生賞注目馬

■シヤイニングレイ 単1倍台ならスーパーリスペクト

■コメート
コメートってドイツ語で、英語のコメットのこと(彗星)。つまりコメットさんだ。この馬の鞍上が大庭だったら、ニヤリだけど、それはどうでもいい話。

コメートさんは嘉藤騎手がデビュー以来騎乗しつづけ、手塩にかけて育ててきた(はず)の馬。
ノーザンF軍団に混ざって、ここでも健闘したら、それはそれで痛快だ。
ホープフルS2着をフロック視され、変な期待をされなければ、ここでもチャンスはありそう。ホープフルSを9人気で3着したブラックバゴが京成杯では1人気で2着したからだ。

予想8人気 ホープフルSと同じだ。やったー!

この馬に関しては、嘉藤騎手のレース後コメントが秀逸だ。特にきんもくせい特別の最後のコメントが素晴らしい。

未勝利 8人気1着「2戦目でキッチリ変わってきました。追ってからもしっかりしていましたし、1頭になってフワフワしましたが、後ろが来ればまた伸びそうな感じでした。このままうまく行ってくれればと思います」(ラジオNIKKEI 競馬実況webより。以下同じ)

新潟2歳S 12人気4着
「評価は受けていませんが、よくがんばってくれました」

きんもくせい特別 1人気1着
「最後は差を詰められはしましたが、並んでからはまた伸びて、危なげないレースだったと思います。競馬が上手で、重賞でも掲示板に載るだけあっていい馬です。今のところ弱点らしい弱点はありません」

ホープフルS 8人気2着
「悔しいです。あそこまで行ったら勝ちたかったです。2着で賞金加算出来たのは大きいです。レースが上手ですね」

「今のところ弱点らしい弱点はない」

そのことばを信じたい。8人気ならば信じられる。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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