◆ここでの一発を期待
「目標はここじゃないからね」
梅田調教師から阪神JF(2着)に続き、今週もこの言葉を聞いた。もちろん、チューリップ賞に出走するレッツゴードンキのことだ。
母系が短距離寄りの血統で、テンションが上がりがちなこの馬の調整は、そんなに簡単ではない。ビッシリやり過ぎれば、リミッターが外れてしまう恐れがあるからだ。そのため阪神JF時の最終追い切りと同じように、今週(4日)も坂路でサラッとしかやらなかった。ギリギリまで絞り上げるのは“本番”桜花賞の時なのだろう。
例年なら桜花賞候補のトップレベルが激突するチューリップ賞だが、今年に限ってはルージュバック、ショウナンアデラの「ビッグ2」が本番直行を選択したことで様相が変化した。賞金持ちの有力馬は、ここでの勝ち負けよりも、本番で負かさなければならないさらなる強敵を見据えた仕上げ、戦いを強いられる。そこに、権利を取らないと後がない馬たちが食い込むスキが生まれるのでは。
アンドリエッテにはデビューから、ずっと川田が騎乗。除外の恐れもあった前走のクイーンC(10番人気4着)も、この馬のために東上を早々と決めていたのだから、どれだけ手応えを感じているかが分かるだろう。
「(川田)将雅は前走に関して『馬体が減らず、外を回されていなければ勝っていたでしょう』と言っていた。この中間も変わらず状態はいいし、前走で(12キロ)減った体も火曜(3日)の時点で436キロあったから大丈夫」とは宇田助手。
予定より追い切り(4日)の時計が速くなった誤算はあったが、それとて、ここに向けての仕上げという点だけで見れば、むしろプラスだろう。前走は惜しくも馬券圏内を逃したが、ここもまたアンドリエッテの一発を期待してみたい。
(栗東の坂路野郎・高岡功)