取りこぼし組が本番で復活も
私はよく重賞予想などで「前走○○組の成績」というようなものを出すが、単純に前走レース別成績だけでは解釈できない場合も多い。
もちろん全く好走例のないレースは臨戦過程として良くないのだが、仮に指標が良いとしても、好走馬がたまたま次のレースに来ていて勝率・複勝率を押し上げているのか、負けていた馬が復活して回収率を上げているのか、その都度中身は違うからである。
そのため、例えば前走クラス別成績を出したあとに「前走○○条件組の前走着順別成績」を出す二段構えにしたりするのだが、手順としては倍になってくる。
もうひとつ、GIなどでたまに問題になるのが、ステップレースの消化の仕方が馬によって違うことだ。
例えば桜花賞だと、エルフィンSから直接来る馬とエルフィンS→チューリップ賞→桜花賞と来る馬は、前走レース別成績では別のグループに入ることになる。この時、仮にエルフィンSでの好走歴が重要なポイントだった場合(←あくまで例)、後者においてはそこの吟味がなされなくなってしまうわけである。
そこで今回は発想を変え、「桜花賞好走馬は過去のどんなレースで好走し、あるいは意外に凡走しているか」ということを見てみたい。過去10年間の1〜3着馬30頭が、桜花賞以前に出走していたレースにおける着度数だ。
ここにおける勝率・連対率・複勝率が高いということは「そのレースを取りこぼしているようでは本番は無理」というレースであり、逆は「そこで負けていても本番どうにかなるかも」ということになる。
実際の数を見ると、まずフラワーCに出ていたケースは[4-0-0-0]。つまり、フラワーCに出た場合は勝ってこないと桜花賞で馬券には絡めない(あくまで過去10年に限っての話)ということになる。
フィリーズレビューは[2-1-1-0]で、馬券に絡んでくることが絶対だが、それ以前にトライアルのひとつにしては本番3着以内馬の数が少ない。シンザン記念に出走していたケースの[1-1-1-0]と趣旨は同じで絶対数がひとつしか違わない。
同じコースで行われたはずのチューリップ賞は[4-3-2-5]、阪神JFは[4-3-1-7]で、取りこぼし組が本番で復活している。確かに両方とりこぼしたジェルミナル(阪神JF6着・チューリップ賞5着)が桜花賞で3着したようなケースもあり、コース替わりが無いから変わり身も無いというわけではないようだ。
今年の桜花賞、登録馬ベースではチューリップ賞4着以下馬は2頭、阪神JF4着以下馬は4頭。この馬たちについても、検討を怠ってはいけないということになる。