当コラム恒例、皐月賞吉例! 社台系なぞなぞー! わーー!!
「今年の皐月賞はどの社台系生産牧場が馬券圏内を2つ独占するでしょう?」
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前説 社台ミステリーのおさらいのおさらいのおさらい
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「サンデーサイレンス亡きあとの8年、皐月賞は社台イマジネーションでアプローチすると面白い」と、ここ5年ず〜っと書いてきた。ず〜っと書けるということはず〜っとつづいているからであり、今年もこのなぞなぞが、一応(?)できることを大変喜ばしく思っている。
以下は「皐月賞07〜14年の1着〜3着馬の生産牧場と馬主」(非とは、非社台生産という意味)
基本的にはノーザンFと社台Fのどちらかが2頭ずつ馬券圏内に馬を送り込んでいるのがわかる。
07年
1着 ノーザンF 個人馬主
2着 非
3着 ノーザンF 個人馬主
08年
1着 社台F 会員様(社台RH)
2着 社台F 会員様(社台RH)
3着 非
09年
1着 ノーザンF 会員様(サンデーR)
2着 ノーザンF 会員様(キャロット)
3着 非
10年
1着 社台F 個人馬主
2着 非
3着 社台F 個人馬主
11年
1着 白老F 会員様(サンデーR)ノーザン系
2着 白老F 個人馬主(育成はノーザン)ノーザン系
3着 非
12年
1着 非
2着 ノーザンF 会員様(サンデーR)
3着 ノーザンF系 会員様(サンデーR・生産は非のパカパカF。それをノーザンが育成)
13年
1着 社台F 吉田照氏名義(会員系)
2着 ノーザンF 会員様(キャロット)
3着 ノーザンF 会員様(サンデーR)
14年
1着 白老F 会員様(社台RH)
2着 ノーザン 会員様(キャロット)
3着 非
07年〜10年までは、生産は「ノーザンF」と「社台F」、馬主は「会員系」と「個人馬主系」、この組み合わせで(4パターン)、きれいに順繰りに2頭ずつ馬券圏内に入った。
その4パターンが終わって、11年はどうなるかと思っていたら、社台グループの3番手の白老F生産の2頭が馬券圏内に入った。
もう唸っちゃったね。こんときはさすがに唸りきったね。
順繰りにもほどがあるし、そもそも白老F生産馬が2頭強い馬を送り込んでいることにも驚いた。
(この年は合計3頭の白老F生産馬が出走していた)
その後も「同一の社台系2頭が圏内」という決め事を守りながら、1つとして同じパターンを採用することなく、7年連続でこの傾向はつづいていた。
しかし、去年少しズレた。
1着 イスラボニータ 白老F生産 社台F直系馬主
2着 トゥザワールド ノーザンF生産 ノーザンF系馬主
3着 ウインフルブルーム 非
社台F系から1頭、ノーザンFから1頭、社台グループとして合わせて2頭。
このパターンは初めてだった。
っていうか、ついに来るべきときが来たような気がした。
だから、今年の皐月賞の登録をドキドキしながら、待ちわびた。
今年はどうなるのかな?
したらば!
今年はノーザンF系のてんこ盛りだった!
ノーザンF系
サトノクラウン 個人 ノーザンF生産
ダノンリバティ 個人 ノーザンF生産
リアルスティールサンデーR ノーザンF生産
ベルーフ サンデーR 白老F生産
ベルラップ サンデーR ノーザンF生産
ドゥラメンテ サンデーR ノーザンF生産
ブライトエンブレム シルク ノーザンF生産
社台F生産
ミュゼエイリアン 個人 社台F生産
非系生産
キタサンブラック
タガノエスプレッソ
ダノンプラチナ
ワンダーアツレッタ
コメート
クラリティスカイ
スピリッツミノル
ミュゼ(馬主)は個人馬主色が強く、社台F生産馬を買っただけと言われているから(詳しくは割愛)、今年の社台グループは実質、ノーザンF系のみとも言える。
もう迷うまでもなく、ノーザンFだ!
迷うとしたら、ノーザンF系2:非系1じゃなくて、今年はノーザンF系3、つまりノーザンF系の上位独占もあるか?
そこだろう。
ノーザンF系の馬を騎手と厩舎込みで見つめ直すと、上位独占もあるような気がしてくる。
サトノクラウン ルメール 堀
ドゥラメンテ Mデムーロ 堀
ダノンリバティ 岩田 音無
リアルスティール福永 矢作
ベルーフ 戸崎 池江
ベルラップ 三浦 須貝
ブライトエンブレム 田辺 小島茂
しかし、今までも社台系で上位独占しそうな年は多かった。しかし、なぜかそれでも非系の馬は頑張って馬券圏内に飛び込んできた。
ならば、今年も2:1と決めつけて、非系の馬から「1」を探すことの方がいいようにも思える。
キタサンブラック 浜中 清水久
タガノエスプレッソ 菱田 五十嵐
ダノンプラチナ 蛯名 国枝
ワンダーアツレッタ 柴田大 河内
コメート 嘉藤 土田
クラリティスカイ 横山典 友道
スピリッツミノル 酒井 高野
ダノンプラチナ
ダノンプラチナは国枝厩舎の馬で、トライアルはトライアルと割り切る厩舎であることをアパパネのトライアルで思い知った。
思えば、前走時は週中ずいぶんと「気性が前向きすぎる。ギリギリ」的なコメントを発していたっけ。こういうコメントは馬主のことを考えると、本来ならば公的には慎重になるはず。しかしあちこちで読んだ。
マスコミを使った馬主への遠隔的メッセージとも取れるが、叩き台というコンセンサスが関係者の間で取れているからできる発言とも取れる。
そもそも蛯名騎手は期待馬へは辛口なコメントをする騎手だ。ダノンプラチナに関しても同様で、課題から入る勝利コメントも残している(14年12月18日コラム参照)。フェノーメノ、イスラボニータと直近でダービーを2着できる馬の背中を感じている騎手だけに望むレベルも高いのかもしれない。
目標はあくまでもダービーだろうけど、ここで無様なレースをしたらダービーへの光は途絶えるはず。もしダノンプラチナがダービーで勝ち負けできるような逸材ならば、勝つとは言わずとも馬券圏内、もしくは3着か4着の競馬はできるはず。マイラーの噂が流れても、ここで4着以内で走れれば、それはダービーを勝てる“マイラーっぽい”ディープインパクト産でいいはずだ。
3歳の春まではダービーを目指し、古馬になったらマイルチャンピオンを目指す。
それがオープンクラスのディープインパクト産牡馬の基本ロードだろうし…。
とはいえ皐月賞で6着〜8着くらいに負けるようなら、そのときは本当にマイラーと判定していいかもしれない。
ダノンプラチナの予想人気は6人気。
手頃な人気だ。
横山典(クラリティスカイ)
何週連続で重賞の横山典を買い続けているだろう。
え? 5週?
その間、馬券になったのはマーチSのマスクトヒーローの3着のみ。でも1人気だから買わなかった。
もはや1回美味しい馬券に出会えるまで、逃れられなくなって来た。我慢比べだ!強情灸だ!
騎乗馬のクラリティスカイは予想10人気。
弥生賞は先行した馬が直線で伸びない展開で、しかも最内も伸びない馬場だった。クラリティスカイは先行4番手で、しかも最内を突いた。クラリティスカイの後ろにいたサトノクラウンが1着したわけで、力の違いを見せつけられたかのようなレースだったけれど、まだわからない。横山典なら、思い切って下げるかもしれないし、思い切って逃げるかもしれない……って、もはや想像も願望もいらない。ただの我慢比べだ!
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本章 人事を尽くして、自力でツモる。
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ルメールとMデムーロの二人を堀厩舎が確保した。
ルメール サトノクラウン
Mデムーロ ドゥラメンテ
騎乗経緯はどうあれ、皐月賞・ダービーに備え、よくぞ二人を確保できたと思わずにはいられない。
なぜなら、ルメール・Mデムーロを一厩舎が同時確保するのはけっこう大変と思うからだ。
ルメールが正式にJRAジョッキーとして参戦するようになって、2週間。
二人がいっしょに騎乗した重賞は3レース。
わずか2週間、3重賞だけど、早くも同時確保からはスモークが立ちこめている。クンクン。
産経大阪杯・角居厩舎の同時確保
1着 ラキシス ルメール 角居厩舎(個人馬主・ノーザンF)
3着 エアソミュール Mデムーロ 角居厩舎(個人馬主・社台F)
阪神牝馬S
6着 レッドリヴェール ルメール 須貝厩舎(東京HR・社台F)
8着 ダンスアミーガ Mデムーロ 中竹厩舎(社台RH・社台F)
桜花賞・社台F直系馬主の同時確保
3着 コンテッサトゥーレ ルメール 安田厩舎(社台RH・社台F)
4着 クイーンズリング Mデムーロ 吉村厩舎(吉田哲哉・社台F)
産経大阪杯・角居厩舎が二人を確保して、1着3着。
桜花賞・社台F直系馬主が二人を確保して、3着4着。
最低ひとりは馬券になっているし、着順も近い決着で、どちらにもチャンスホースを用意したかのようだ。
Mデムーロ、ルメールは、厩舎や馬主にとって、勝負騎手、もしくは負けても納得できる騎手の二人だろう。
その二人を一厩舎がダブルで確保することはけっこう繊細な作業だと思う。
2頭いれば、走る前から絶対にその2頭の順位付けはあるはず。厩舎が違えば、同じ馬主でもまだ迷彩を施せるかもしれないけど、同一厩舎ではなかなか難しいだろう。
ヨーロッパでは、主戦騎手にも順位があったりする。厩舎のナンバー1契約、ナンバー2契約、馬主のナンバー1契約、ナンバー2契約といったように順番が決まっていることも多い。
そんな順位付けのはっきりした世界で戦ってきた騎手がそれを気にしないはずがない。
たとえ表面上は大人の関係だとしても、内面ではライバル心むき出しのはず。だからこそ、逆にMデムーロ、ルメールをダブルで招聘することには大きな意味があると思うわけだ。
ゆえに思う。
ルメール・Mデムーロの同一厩舎の同時確保は要注意。
短期免許の外国人がほとんど来ない春競馬の大レースでは要警戒。
現在の日本の競馬界のパワーバランスを考慮すると、大レースであればあるほど、外国人騎手の主導権を握る権限は厩舎にはないはずだ。けれど、二人を確保したいと希望することは許されているはず。
福永騎手がリアルスティールへの騎乗を決めるやいなや、まずはルメールを確保する。
自分は、サトノクラウンが堀厩舎の表看板としたら、裏看板はドゥラメンテと思っていた(裏ドゥラ)。だからドゥラメンテの鞍上も気になっていた。
そしたら、Mデムーロ確保! 裏ドゥラ乗ったーー!てなもんだ。
堀調教師のクラシック初ツモに賭ける執念を感じずにはいられない。
外国人騎手を勝負手としがちな池江厩舎にもベルーフがいる。ベルーフは社台系の種牡馬ハービンジャーのデビュー産駒で、この馬だって勝たせたいはずだ。しかし、堀厩舎が確保した。うむ、わかりやすくクサイ!
そもそも自分は、堀厩舎は福永騎手とのコンビでダービー制覇を狙っていると思っていた。
つまり福永騎手をダービージョッキーにする会の後援厩舎と思っていたわけだ。
しかし、今回の鞍上確保劇を見て、あれ? なんか違う? と思い直しつつある。
もしかして、
「ボクをダービー・トレーナーにする会」が自家発電している?
と思うくらいだ。
でも、そのくらいの情熱がないとダメだろう。
人事を尽くして天命を待つ。いや、人事を尽くして、自力でツモる!
なんだか堀調教師がアカギやカイジに思えてきたぞ。ざわざわ…ざわ…神よ!俺を祝福しろ!
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皐月賞注目馬
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自分は裏ドゥラ乗った〜って言いたいがために表のサトノクラウンに頑張って欲しいと思っている。
でも1・2人気のはずのサトノクラウンとリアルスティールの争いでないと、なんだか悲しいし、いろいろと浮かばれないとも思っている。だからリアルスティールにも敬意を払うつもりだ。
だからこんなセット馬券
堀厩舎&外国人2頭 ドゥラメンテ&サトノクラウン(ノーザンF2)
ディープインパクト産2頭 ダノンプラチナ&リアルスティール(非系1:ノーザンF1)
その他のドラ候補
ベルーフ・ノーザンF
横山典・非系
ベルーフは前記したようにハービンジャーのデビュー世代で、唯一の皐月賞出走馬。
その馬を池江厩舎が管理してるとなると、無視できない。
ディープインパクト産初の重賞ウイナーは池江厩舎のダノンバラード(ラジオNIKKEI杯)だった。ダノンバラードは皐月賞でも3着した。もちろんディープインパクト産最先着だった。
初種牡馬の期待馬は池江厩舎に行くのかもしれないし、初種牡馬の産駒の特徴を捉えるのが池江厩舎は上手いのかもしれない。
実際、ベルーフはハービンジャー産唯一の重賞ウイナーでもある(京成杯)。東京経験も、中山経験もある。どう見ても春のクラシックを見据えた臨戦を2歳時からしていた。厩舎力を見せつけるためにも、ぜがひでも狙いたいところだろう。
もしかしたら社台系の真のドラはベルーフかもしれない。