持ち時計なくしては語れない春後半京都
ドゥラメンテの皐月賞の走破タイムは、レースレコードにコンマ2秒差の1分58秒2、上がり33秒9は文句なしに最速。馬体さえ維持できれば、ダービーは当確という人もいる。
しかし、あの3〜4コーナー。ドゥラメンテのデムーロと、サトノクラウンのルメールの、あの苛烈なファイトはいったいなんだったんだろう。
日本のジョッキーとして免許が下りて以来幾度か、雑誌やテレビで「みなんさんのご期待に応えられるよう頑張ります」――二人並んで肩を組み、つたない日本語で懸命に、にこやかに笑っていたデムーロとルメールだったが、皐月賞はドゥラメンテかサトノクラウンか。
ひょっとしたらリアルスティールの存在すら気にならないかのような、両者の二頭の激しいマッチングだった(結果は1着と6着だけど)。
なんて、遠心力の原理でいえば、内から外に張り出すドゥラメンテが、サトノクラウンを弾き飛ばすのは当然。
しかし、ルメールは、たぶん膨らむ不利なんか嘆いてもいないし言い訳にもしない。むしろ逆に、何故外からドゥラメンテを押圧し封じ込めることができなかったか。そっちの方を後悔しているかもしれないなぁ。
土壌というか民族性というか?――外国人ジョッキーと日本のジョッキーは、勝ちというものに対する意識や持って行き方が、やっぱどこか違うようなぁ(日本人でも技術はともかく、似たような思考形態の人も多少いるけれど)。
今週から京都と東京へと開催はスイッチ。昨年の京都開催は、芝1400mの3歳未勝利で、エイシンペペラッツが1分19秒9のレコードをマーク。マイラーズCはワールドエースが1分31秒4のレコ勝ち。春後半の3〜4回京都は、持ち時計なくしては語れない、一年で一番の高速馬場だ。
となると