コスモバルク記念のゴール前写真
まずは順調なスタートを切れたホッカイドウ競馬
去る4月22日(水)、門別競馬場で今年度の道営ホッカイドウ競馬が開幕した。以前触れたように、今年の最大の変化は、何といっても「内回りコース」が新たに造られたことである。それに伴い、距離のバリエーションが増え、待望のマイル戦が組めるようになった。さっそく、開幕日のメインレース「北斗盃」(3歳オープン)が、千六で実施された。
ただ、内回りコースは、未だ照明が設置されておらず、この日のメインとはいえ、第6競走の午後5時15分スタートという中途半端な実施時間になった。メインレース後にも、第7〜12まで計6レースが組まれており、何とも変則的な編成だが、照明設備の新設は今シーズン終了後に実施予定と聞く。したがって、千六などの内回りコースを使用する重賞は、今年に限りすべて明るい時間帯に行われることになるらしい。この北斗盃は圧倒的な1番人気に支持されたオヤコダカがシークロムを7馬身も離して優勝した。
開幕日には他にも、例年通り日本一早い2歳戦であるJRA認定「スーパーフレッシュチャレンジ」競走が第4レースに組まれ、パイロ産駒プレイザゲーム(牡鹿毛)がスティールキングをハナ差抑えて優勝。現2歳世代の勝ち馬第一号になるとともに1着賞金300万円を獲得した。
昨年と大きく変わったレース編成になったが、この日は売り上げ、入場人員ともに好調で、1245人、2億1630万円を売り上げた。因みに昨年の開幕日は4月23日(水)で1077人、1億7300万円だったので、入場人員で168人、売り上げでも3300万円ほど増えたことになる。
実は開幕日には門別に行けなかった。せめてメインだけでも見たいと思っていたが、午後5時過ぎの発走では、逆算すると3時くらいには自宅を出なければならない。門別までは100キロ近い道のりなので断念するしかなかった。
ようやく現地を訪れることができたのはその翌週だ。29日(水)。この日の日高地方は海岸線に濃い霧が発生し、道中も見通しが悪く、開催しているかどうか不安な気持ちを抱きながら門別に向かった。春の訪れとともに、日高沿岸は海霧の発生しやすい気象条件になり、これまでも時々、霧によりレースが中止に追い込まれることがあった。この日も、場所により濃淡はあったが、かなり濃い霧であった。
霧の濃い門別競馬場内
しかし、現地に到着してみると、レースは続行されている。霧によって中止するか否かの判断は難しいところだが、この日は大型連休の始めの祝日。興行的にも中止は避けたかったはずで、結局最終レースまで予定通り消化した。
開幕2周目のこの日のメインは「第5回コスモバルク記念」である。11頭が顔を揃えた。人気の中心は、昨秋の最終日「道営記念」を制したウルトラカイザー。以下、ディープインパクト産駒グランプリブラッド、道営記念2着のキタノイットウセイと続く。
コスモバルク記念のパドック
相変わらず霧が濃く、パドックにいても、遠くを周回する出走馬がややかすんで見えるほどだ。出走各馬が馬場入りし、返し馬で左右に散っていくが、途中で見えなくなるくらいの濃さである。これで大丈夫なのだろうか、と思わぬでもなかった。
レースはニシノファイターが先行し、ウルトラカイザーがそれをマークする展開だったが、霧のためよく見えない。各馬固まったまま一団で直線に向かい、外から強襲するグランプリブラッドを二分の一馬身抑えてウルトラカイザーが優勝した。3着にはキタノイットウセイが入り、1着〜3着まで人気通りの決着となった。
レース後引き揚げてくるウルトラカイザー
勝ったウルトラカイザーは前述通り、昨秋の「道営記念」を制し、5連勝中だったが、これで1勝を上乗せして、昨年6月以来負けなしの6連勝と絶好調をキープしている。
昨年6月以来負けなしの6連勝と絶好調をキープしているウルトラカイザー
父レギュラーメンバー、母ローレルワルツの牡7歳馬。新冠・つつみ牧場生産で、馬主は中野真吾氏。林和広厩舎所属で、道営記念に続き井上俊騎手が騎乗した。通算成績は中央の1勝を含め、22戦17勝。獲得賞金は3801万円。なお、霧のため、公式記録でも上がり3ハロンのタイムは「計測不能」となっており、このことからもいかに厳しい条件だったたかが分かる。
第1回の門別開催は、この日で終了したが、3日間(4月22日、23日、29日)の合計では、3696人、6億7000万円を売り上げた。昨年の開幕3日間と比較すると、入場人員で223人、売り上げで6000万円余の増加となっており、まずは順調なスタートを切れたと言って良さそうだ。
コスモバルク記念の口取り風景