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今年初の重賞制覇!新潟大賞典をじっくりレース回顧

  • 2015年05月19日(火) 18時00分
小牧太

今回は新潟大賞典のレース回顧。スタートからゴールまで、じっくりと振り返ります!


先日の新潟大賞典で、今年初の重賞制覇を決めた小牧騎手。今年は重賞の騎乗機会が減っていただけに、胸のすくような鮮やかな勝利でしたね! さて、今回はその新潟大賞典のレース回顧。スタートからゴールまで、じっくりと振り返ります!
(取材・文/不破由妃子)


ガッツポーズをしながら、自分を褒めてましたわ(笑)

──小牧さん、おめでとうございます! 実に鮮やかでした。

小牧 ありがとう。最初から最後まで、思った通りに乗れましたわ。内枠でスタートも良くてね。もともと1番(ラングレー、5着)が一番強いと思ってたんやけど、後ろに付けられることはまずないやろなぁと思っててん。それが、いつの間にか1番の後ろにいた感じで。「あれ〜、こんなにいいとこ入れたわ」と思いながら乗ってましたわ。もしその位置が取れたら、あとは前が開くまでジッとしておこうと思ってたんやけど、その通りになってね。勝つときっていうのは、そんなもんなんやね。

──直線も、小牧さんだけすごく落ち着いているように見えました。手綱を抑えたまま、前を見据えて虎視眈々といった感じで。

小牧 正直、レース前は、期待がありつつも勝てるとまでは思ってなかったんやけど、直線に入ってからの手応えが違いましたわ。あんなに余裕を持って抜け出せたのは、久しぶりやね。あれだけ手応えがあればね、開いた瞬間、どこでも入っていけると思ってました。だからあれだけ待てたんやね。

──戦前の予想通り、スローペースで。ダコールは後方待機がすっかり定位置になっていた感がありますが、そのあたり、どう乗ろうと思ってらっしゃったんですか?

小牧 好位で競馬する馬すらいなかったからね。スローペースになるのはわかってました。だからもう、なんせスタートだけ決まったらいいなと思ってました。位置取り云々より、押していったらダメな馬なんでね。とにかくスタートだけ気をつけましたわ。

──先ほど、期待しつつも勝てるとは思っていなかったとおっしゃっていましたが、これはイケる! と思ったのはどのタイミングですか?

小牧 直線で前が開いた瞬間に“よしッ!”と。“完璧や!”と思いながらゴール板に入りましたわ。

──ゴール後は小さくガッツポーズ。

小牧 うん。うれしかったねぇ。重賞を勝てたこともそうやけど、完璧に乗れたこともね。だから、ガッツポーズをしながら自分を褒めてました(笑)。その週は時間がたっぷりあって、スマホでずーっとダコールのレース映像を見てたんですわ。あ、娘のスマホね。僕はガラケーやから(笑)。

──わかってます(笑)。

小牧 映像を見ているぶんには、あんなに切れる馬だとは思わなかった。いつもちょっと足りないから、てっきりダラーッと伸びる馬かと思ってたんやけどね。スローの切れ味勝負になったからね。それが良かったのかもしれんわ。

──それまでに騎乗されていたジョッキーたちは、「使える脚が短い」という印象を持っていたようですが、その点はどう感じられましたか?

小牧 今回に関しては感じなかったけどね。素直に強いなと。使える脚が短いと、後ろからでは捕まえ切れんよね。だから今回は、中団に付けられたのが良かったんでしょう。後ろから行ってたら、今回もまた届かんかったかもしれんし。

──善戦マンを覚醒させたかもしれませんよ。

小牧 いや、もともと力があったんでしょう。あれだけ楽勝したわけやからね。追い切りで初めて跨ったんやけど、イメージに反して、自分から行く馬だなっていう印象やった。だから、調子も良かったんだと思うよ。久々もいいらしいしね。

──そういえば、お母さんのアジアンミーティアは……

小牧 あ、アジアンミーティアって、なんか覚えてるわ…、え〜と…。

──新馬戦は、当時中央に乗りにこられていた小牧さんが騎乗したんですよ(12着)。その後、園田の曾和厩舎に移籍して、小牧さんで2連勝、岩田さんで2連勝して、再度中央に戻ってきた馬です。

小牧 えっ!? 園田で? そうかぁ、それは初めて知った。覚えてるとか言っといて、全然覚えてなかった(笑)。

──10年以上前ですからね。ちなみに、今後のローテーションはお聞きになってますか?

小牧 うん、新潟記念から天皇賞・秋へ行こうかっていう話は聞いてます。これでひとつ乗り馬ができたね。最近はすぐ乗せ替えられるから(苦笑)。ダートでもエノラブエナがいるし、やっぱりこうやって自分でつかみとっていかなアカンのやなと改めて思いましたわ。

──ダコールのオーナーは、前田幸治さんのノースヒルズ。小牧さんとは縁のあるオーナーさんですが、レース後はお話されました?

小牧 はい。昨日、オーナーからお花が届いて。「ウチの馬でいくつ重賞勝ったんかなぁ」って聞かれて、ゴールデンキャストがパッと浮かんでね。「ゴールデンキャストで勝ちました」って言ったら、「あれ? クラレントとかリディルとかで勝ってないか?」って。たくさん勝たせてもらっているのに、とっさに出てけえへんかった…。いかんねぇ。怒られてしまったわ(苦笑)。

小牧太

とっさに出てけえへんかった…。いかんねぇ。怒られてしまったわ(苦笑)



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 今週のダービーには、ダノンメジャーで参戦決定! 橋口師にとって最後のダービーとなりますが、はたして小牧騎手の心中は!? 「NHKマイルCに出走したクールホタルビとダノンメジャーのレースぶりについて、小牧騎手の見解を教えてください」など、ユーザーからの質問もお届けします!
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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