プライベートに関する質問から、出遅れや新馬にまつわる素朴な質問まで、小牧騎手がガッツリ答えます!
連載が始まってずいぶん経ちますが、小牧騎手への質問は、いまだに途切れることがありません。それはきっと、どんな質問にも飾らない言葉できちんと答えてくださるからでしょうね。さて、今回の太論も、ユーザーからの質問特集。プライベートに関する質問から、出遅れや新馬にまつわる素朴な質問まで、小牧騎手がガッツリ答えます!
(取材・文/不破由妃子)
際どい写真判定になると、「どうせなら同着になって!」と思うね
──今回は、ユーザーからの質問4連発です。まずは、プライベートにまつわる質問から。「連ドラ好きの小牧さんですが、春のクールは何を観ていますか? お気に入りがあれば教えてください!」というものです。
小牧 一番おもしろそうなのは、『天皇の料理番』やね。ただ、録りためたまま、全部は観てないねん。あと何話か観たのは、あれあれ…、斎藤工くんが医者のやつ(『医師たちの恋愛事情』)。まぁ、あれは“斎藤工くんをいかにカッコよく見せるか”っていうドラマやね(苦笑)。何話か観たのは、その2つくらい。最近は、夜も家にいることが少ないねん。
──飲みに行くことが多い?
小牧 いやいや、子供たちが独立して、今は嫁さんとふたりやから、どうせなら外食しよか、っていうことが多くなって。前にもいったけど、一番ハマってるのは、相変わらず『情熱ホルモン』の冷麺(笑)。凝り性やから、一度気に入るとハマってしまうねんなぁ。
──お話を伺っていると、最近は本当にお忙しそうにされてますね。小牧さんは以前から活動的ですが、ここにきてさらに、のんびりまったりタイムがないような。
小牧 そうやね、充実してるね。だから1週間がむっちゃ早い! まぁ遊んでばっかりやけど(苦笑)。ただ、トレーニングも毎週90分、ちゃんと続けてます。
──続いては、「逃げてわずかに差し切られて負けるのと、追い込んでわずかに届かず負けるのでは、どちらが悔しいですか?」という質問です。
小牧 接戦で負けるのはどっちも悔しいねぇ。最近も浜中に2回くらいハナ差で負けたなぁ(橘Sのブラヴィッシモと、3歳未勝利のノスタルジー)。モニターで確認して、どっちも「勝ってるんちゃうかな」と思ったレースだったから悔しかったね。
──ハナ差になると、やはり当事者でもわからないものですか?
小牧 わからんねぇ。とくに(写真判定で)線一本の差だと、本当にわからない。逃げてとか差してとか関係なく、そういう状況で負けるのが一番悔しいね。際どい写真判定になった場合、どうせなら「同着になって!」と思うもん(笑)。
──続いては、「出遅れ癖がついてしまった馬について、厩舎サイドも調教などで工夫して直そうとすると思うのですが、ジョッキーとしての対処法や心掛けていることがあれば教えてください」というものです。出遅れについての質問は、連載開始当初から多いですね。
小牧 ホンマやね。もうね、ゲートのなかでいかに落ち着かせるかしかないよね。やり方は人それぞれやと思うけど。要するに、4本の脚でしっかり立たせることが、出遅れの予防につながるわけやから。まずは落ち着かせること。それが一番やね。
──気をそらすために、わざと横を向かせるというやり方も聞いたことがあります。
小牧 あるある。真っ直ぐ立たせるとその気になってしまって、ゲートにつっかける馬もいるんですわ。そうなると4本の脚でちゃんと立っていられなくなるから、わざと横を向かせたりして、集中力をそらしたりね。なんせ、馬も人間もリラックスすることが一番ですわ。気負ったら絶対にダメ。人間が気負ったら、ゲートでもレース中でも必ず馬に伝わるから。
──続いては、新馬についての質問です。「デビュー前の馬について、調教の段階で先行や差しなど、脚質の特性を把握できるものなのでしょうか?」。
小牧 できないね。脚質はゲート次第のところもあるし。練習ではできても、本番ではできない馬も少なくないからね。
──調教で感じるスピード感は、脚質を考えるときに参考にはなりませんか?
小牧 脚質まではわからんね。調教でグイグイ行く馬でも、ゲートが下手くそだったら前には行けんし。それ以前に、この馬は走るなぁと思うような馬は、最初から行かせんようにするでしょ。一度行かせてしまうと、癖になることもあるからね。その馬本来の脚質がどうこうより、この先どういう競馬をさせていくかは、人間側のコントロールもあるし。たとえば、新潟大賞典のダコールは、後ろから行く馬っていうイメージが付いてたけど、スタートさえ良ければこの前みたいに中団から好位に付けられるわけだし。結局は、その馬が勝てる位置はどこかっていうことやから。それはレースによっても変わってくるしね。
結局は、その馬が勝てる位置はどこかっていうことやから
【次回の太論は!?】
「最近の小牧騎手の発言からは、GIへの熱い思いが感じられない」「“太”という名前に反して、レースで気負けしてしまうことがあると聞いたことがありますが、それは本当ですか?」などなど、一見すると耳の痛い質問やご意見が…。はたしてその真実は!? 小牧騎手が、本音をぶっちゃけます!