◆クラブの高馬について、POG本取材時期各馬と当時の評価にどんな背景があったかということも含めて書いてみたい
今年のドラ1候補としてどのグループでも人気になっていたであろうポルトフォイユが新馬戦を快勝した。レースはこの時期の1800m新馬戦には珍しく前半がしっかり流れ、2歳馬にとってはタフな展開。着順は人気順にかなり近いものがあり、地力が現れたと言える結果。指名した人にとっては最高の結果だったと言えるだろう。
現3歳馬でもドゥラメンテ、リアルスティールとクラブの高馬が走っており、今年もポルトフォイユが順調なスタートとなると、他の高馬も気になるところである。今回はクラブの高馬について、POG本取材時期各馬と当時の評価にどんな背景があったかということも含めて書いてみたい。
サンデーレーシングの世代最高値はエルプシャフト。POG取材時期はかなり小さく、時間がかかりそうな印象だった。ビワハイジの仔は小さくてもいいと理屈では分かっていてもやはり不安で、私は巻末リストで無印にした。角居厩舎ということもあって慎重に進めるだろうと予測してのシルシでもある。その後、馬体重は30キロ近く増えたようなので、これは私の戦略が失敗だったかもしれない。いずれにしても秋以降のデビューなので、じっくり待ちたいところだ。
大きさといえば、サイズこそが評価のポイントになったのがフォイヤーヴェルク。3月末はいわゆる測尺の数字ではエルプシャフトのほうが小さかったはずだが、向こうは遅生まれということもあり、追い越されてしまった。ただ自身も430キロ台までは増やしており、ここまでの過程に問題はない。あとはデビューに向け詰めていく時期に体を減らさず乗り切れるかどうかだ。
価格3番手がポルトフォイユと、もう1頭レーヴァテイン。レーヴァテインについては、取材時に牧場からも「じっくりやるので、POG向きじゃないから」とはっきり言われていた。その後もピッチが上がっているとは言えない状況。POG期間は気にせず生涯成績でリアル出資者に貢献してもらえればと思う。
価格5位がハートレー。赤本では産地馬体検査コーナーで私が触れたが、行数に限りがあり詳しくは書けなかった。おそらくマイラータイプで、牧場ではリアルインパクトのようなイメージとも言われていた。この馬も春先からさらに体重を増やしたようで、サイズもまさにリアルインパクトくらいになりつつある。
社台RHの世代最高値はアストロブレーム。後藤さん原稿に登場せず、厩舎ページも無く、産地馬体検査にも来なかったので赤本では写真しか載らなかった。その撮影当時はやや幼い印象だったが、秋目標にじっくりやってきた効果は出ているようだ。
全く同じ事情で写真のみ掲載となっていたのが、牝馬最高値のサプルマインド。取材当時440キロでディープ牝馬としては十分、その時点での完成度も高いとは思っていたが、6月に入厩するとは読めなかった。この馬については正直、私が過小評価してしまった可能性もある。