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ルメール騎手なら心配なし/ラジオNIKKEI賞

  • 2015年07月04日(土) 18時00分


リアルスティール、ドゥラメンテと僅差

 この時期だから完全な良馬場に恵まれる可能性は低いが、CBC賞の行われる中京競馬場に比べると福島の方が馬場の渋る危険は少ない。良馬場に近いだろう。

 アンビシャス(父ディープインパクト)に期待する。3戦目の共同通信杯1800mで、のちの皐月賞で2、1着するリアルスティール、ドゥラメンテに小差で続く3着。もちろん先着を許した2頭が強かったのは確かだが、少し行きたがって早めの進出で一度は先頭に立ちかけるシーンもあった。かかったうえに坂上でソラを使ったようなところもあり、あの時点で東京1800mを1分47秒4(上がり34秒5)なら、トップクラスである。事実、リアルスティールの勝ち時計1分47秒1は共同通信杯史上2位だった。

 続く毎日杯1800mでも、このときは最外の15番枠で前にカベを作れずに行きたがってしまい、コーナーで外に振られるロスまで重なって小差3着。勝ったミュゼエイリアンとは0秒1差の1分47秒3(上がり34秒5)だった。

 5月のプリンシパルS東京2000mを「2分00秒2(上がり34秒1)」で快勝しながら日本ダービー挑戦を見送ったのは、やっぱり少し行きたがったのと、中2週になるローテーション、その時点では東京2400mは長いと判断してのことで、故障や疲れではなく、先を考えての決断だった。

 秋までオーバーホールの休養に入るのか、と思えたが、無理使いをしていないからアンビシャス自身は元気いっぱい。短い休養期間を取っただけで、早くも秋に向けての始動である。騎手は、プリンシパルSと同様にC.ルメール騎手。まだ行きたがる面は残るとしても、コーナー4回の福島の1800mでルメール騎手なら心配はない。

 母の父はエルコンドルパサー。祖母の父はレインボウクェスト。凱旋門賞快走の血を重ねた底力を秘める欧州型のファミリー出身。ディープインパクト産駒は全体になんとなく先走りの印象があるが、ゆっくり育てるなら、これまでの代表産駒とはひと味違った豊かな成長力が長所となる産駒が出現するはずであり、アンビシャスにはそういうタイプに育つ可能性がある。

 相手本線は、同じディープインパクト産駒のグリュイエールが魅力。母ウィンターコスモスはクロフネの姪。そこにキングカメハメハ。さらにディープインパクトを配してみせた。金子ブランドというより、まさにオーナーブリーディングであり、馬主ならだれでも夢見る自分の活躍所有馬同士を組み合わせた結晶のようなグリュイエール。前回の勝ちっぷりは時計、着差以上に余裕があった。こちらは1800mベストだろう。

 もう1頭、ハイペースの三田特別を一旦は先頭に立った内容が光るグランアルマダ(父ダイワメジャー)。母ライクザウインド(父デインヒル)がディープインパクトの半姉にあたる注目馬であり、2200mまで好内容で乗り切っている強みは大きい。酒井騎手が強気にでると好勝負だろう。穴馬は上昇著しいブランドベルグ(父ネオユニヴァース)。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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