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芝向きのマイラーとして大成しそうなミッキーグローリー

  • 2015年07月08日(水) 12時00分
ペガサスバローズ(牡 栗東・角居勝彦 父ステイゴールド、母マルヴァーンスプリング)
 ダート短距離で準OPまで出世しているマルヴァーンヒルズ(父Street Sense)の半弟。母の父Silver Deputyはパワー型のスピードタイプだが、2代母Chelsey Flowerはフラワーボウル招待H(米G1)など3つの芝重賞を制している。したがって、母マルヴァーンスプリングは配合次第で芝向きの馬もダート向きの馬も出せるだろう。本馬の父ステイゴールドは芝向き。ステイゴールドはフレンチデピュティ−クロフネと相性がよく、本馬の母の父Silver Deputyはそれと同じDeputy Minister系なので悪くない。ステイゴールドの代表産駒フェノーメノとナカヤマフェスタは、いずれも母方の近い世代にデインヒルを抱えている。デインヒルの母の父はHis Majestyで、ナカヤマフェスタは母にHis Majesty 2×4という強いクロスを持っている。本馬の2代母の父はHis Majestyなので見どころがある。素軽さがあれば大物だろう。

ホッコーパフューム(牝 栗東・西浦勝一 父ヴィクトワールピサ、母ホッコーメモリー)
 ホッコーブレーヴ(父マーベラスサンデー/14年天皇賞・春-GI・3着、14年日経賞-GII・2着)の半妹。父ヴィクトワールピサは新種牡馬。現役時代にドバイワールドC(首G1・AW2000m)、有馬記念(GI・芝2500m)、皐月賞(GI・芝2000m)などを制した名馬で、アサクサデンエン(05年安田記念-GI)、スウィフトカレント(06年小倉記念-GIII)を兄弟に持つ良血。先週、中京の2歳未勝利戦(芝1400m)で産駒のクラウンドジャックが初勝利を挙げた。ヴィクトワールピサはHalo 3×4で、母の父ダンシングブレーヴにはHaloとよく似た血統構成のDroneが入るので、本馬はHalo≒Drone 4・5×4となる。芝向きの中距離タイプで成長力もありそうだ。

ミッキーグローリー(牡 美浦・国枝栄 父ディープインパクト、母メリッサ)
 母メリッサは北九州記念(GIII)の勝ち馬。父ディープインパクトはスプリントタイプの繁殖牝馬と相性がいい。スプリンターは往々にしてガッチリとした力強い体型で、豊富な筋力量とそれに支えられた回転の速いフットワークを伝える。小柄でしなやかでトビが大きいディープインパクトに足りない要素を補う形となるため上手く行くのだろう。ドナウブルーとジェンティルドンナの姉妹、トーセンラーとスピルバーグの兄弟、ミッキーアイル、リアルインパクトなどはその成功例だ。「ディープインパクト×ホワイトマズル」はスマートレイアー(14年阪神牝馬S-GII)と同じ。Alzao≒ダンシングブレーヴ3×3が光る。「父ディープインパクト、2代母の父トニービン」という構成もハープスターをはじめ成功例が多いパターンで、芝連対率は45.8%と驚異的。気性面の問題さえなければ芝向きのマイラーとして大成できそうだ。

リボンフラワー(牝 栗東・池江泰寿 父ディープインパクト、母パディーラ)
 朝日杯フューチュリティS(GI)を制して2歳牡馬チャンピオンに輝いたダノンプラチナの全妹。ディープインパクトやステイゴールドなどを管理した池江泰郎元調教師が馬主であることも話題だ。池江泰寿調教師が管理するので、父が馬主で息子が調教師、ということになる。父ディープインパクトはUnbridledと相性がよく、とくにその息子Unbridled's Songを母の父に持つ配合は、JRAで出走したわずか3頭から前出のダノンプラチナ、サイレントソニック(OP)、ミュゼリトルガール(14年チューリップ賞-GIII・8着)が出ている。また、Unbridled's Songの全妹から誕生したダコールは新潟大賞典(GIII)を勝ち、その4分の3同血で新馬勝ちを果たしたブランボヌールは7月26日に行われる函館2歳S(GIII)の有力候補だ。優秀な組み合わせなので兄と同じくGIで活躍することを期待したい。

ロイヤルフレア(牝 美浦・金成貴史 父フレンチデピュティ、母ヘヴンリークルーズ)
 母ヘヴンリークルーズは準OPまで出世したスピードタイプで、「ファルブラヴ×フジキセキ」という組み合わせ。したがって、「フジキセキ×エリシオ」のサダムパテック(12年マイルCS-GI)とよく似ており、繁殖牝馬としても期待できる(ファルブラヴとエリシオはいずれも「Fairy King×Slewpy」という組み合わせ)。本馬はフレンチデピュティが父。その父Deputy Ministerはフジキセキとニックスの関係にある。本馬の2代母の父はフジキセキなのでこのニックスが生じる。奥の深さを感じさせる配合で、1800m以下の芝でいいところがありそうだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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