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カレンブラックヒルとレッドアリオンの両立は難しい?中京記念を分析!

  • 2015年07月24日(金) 18時00分


◆カレンブラックヒルの「勝ち切るためには微妙な500グラム」

 台風は西寄りの進路を進み、名古屋の天気予報は土日ともに晴れ、しかも最高気温35度の猛暑になりそうだ。水・木と降雨があったようだが、金曜から晴れっぱなしだと、中京にしてはある程度時計の出る馬場になる可能性もある。

 トップハンデ、かつ1番人気の可能性があるカレンブラックヒルにとっては、あまり乾きすぎず普段の中京の馬場のほうがよいかもしれない。もうひとつこの馬にとって心配なのは、典型的な逃げ馬がいないこと。もちろん自分で逃げてもよいのだが、理想は逃げ馬にタイトな流れを作ってもらって早めに抜け出す形。自らが逃げると、目標にされるだけに長い直線を凌ぎ切れるか微妙になる。

 58.5キロも過去の事例を振り返ると、勝ち切るためには微妙な500グラムが気になるところ。一方で坂路の好時計を見ても分かるように状態面は絶好調といってもよいものだけに、デキを生かして粘りたいところだ。

 レッドアリオンがハンデでは2位、人気でも2番人気になる可能性がある。この馬は時計への対応力があるので、中京へのコース替わりがプラスになるという点ではカレンブラックヒルのほうが上だろう。この馬が好走してきた洛陽SやマイラーズCがスローの競馬だった点も意識しなくてはならない。同じような展開になればレッドアリオンにチャンスがあるが、上がり勝負になるとカレンブラックヒルは苦しい。そう考えると、この2頭の両立というのはけっこう難しい。

 ダローネガオリービンという6歳勢も上位人気だろう。ダローネガはオープン復帰に時間がかかったが、重賞で通用するポテンシャルはある。過去3回の中京記念はいずれも差しタイプが勝っているので、ダローネガにとってはそれと同じ形に持ち込みたいところ。前付けもできる馬だが、今回は差し構えのほうがよいのではないかと思う。

 オリービンは過去1年で好走してきたマイル戦2レースがいずれも前半が遅い形。そういう意味ではレッドアリオンと同じグループだ。

 トーセンレーヴはパートンがどういう競馬をするか楽しみなところ。ただ、全盛期はGIIIなら主力級だった馬だが、それも3年前のこと。前走で久々に馬券に絡んだとはいえ、あくまで人気と相談しつつということになる。

 スマートオリオンは距離延長がどうか。前走は距離延長がプラスに出たが、今回はさらにそこからの延長。もともと1200mの先行馬だけに、ペースが遅いとこの馬が押し出されてハナということもありうる。

 オツウもハナへ行く可能性がなくはない馬。中谷騎手で軽ハンデだし、思い切った競馬をする可能性がある。また、そうしないと自身の活路は開けないだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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