工夫を凝らした者に勝利が転がり込んでくる
札幌日経オープンで8歳馬ペルーサが、平成22年の青葉賞以来、5年振りの勝利をあげた。ご丁寧にも、従来の記録を0秒1更新する、とってつけたようなレコード勝ちというのも(笑)、なんだかペルーサらしい。
ん?ペルーサ?――近5年以内に競馬を知った新しいファンのかたは、ペルーサのアレコレは、それこそ「噂には聞いていたが」――かもしれないが、スタンド前からズイとハナを奪い早々に先頭。
「なんだか戦っちゃってるな、オレ様も」という意識が生じたとあれば、58キロでも追い負けも競り負けもないか。
ペルーサの復活には、もちろん肉体面の問題も関与しているだろうし、今回は順調に使えたことが何より。しかしそれ以上に、ルメールのひらめきというか。道中のどこかで動かそうという、ルメールの「工夫」が大きかったように思う。
「もっと早くそれをやればよかったのに」という意見もあるだろうが(笑)、夏のローカルは、この季節の重賞や特にハンデ戦は、より多く考え工夫を凝らした者に、勝利が転がり込んでくるように思う。
なんて、たとえば関屋記念で人気を集めるだろうスマートオリオンの前回・中京記念は、良馬場とはいえ開催末期の荒れ馬場。しかしながら中京は、荒れた芝では逆に、却ってインが有利に転ぶケースも多い。
スマートオリオンは内目の6番枠、良績のある中山1200mの勝ち星は時計のかかる良馬場。二走前の東京の1400mで距離1600mにも目途を立てていたし、持ち前のパワーをもってすれば馬場の傷んだ内目を突いてもスタミナ切れはない。そう、M.デムーロの考え抜いたコース取りと、それに付随する勝利だったように思う。
しかし、1分33秒4という決着タイムは、中京記念としては水準レベルだが、新潟マイルの関屋記念は、たとえスローでも1分32秒5前後が水準。
デムーロから戸崎への乗り替りは別段気にはならないし、好調も維持できているけれど、中京と新潟は同じ良馬場でも